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【映画評】坂本龍一氏のドキュメンタリー「CODA」を見て思ったこと、など

投稿日:2018年6月10日 更新日:

はじめに

今回はドラムの話…ではなくて「音楽とは?」という少々抽象的な話。というのもこちらのDVDがレンタル解禁になり、その中に面白い一節があったのでここでシェアしたいと。

ざっくりと概要紹介

この作品は坂本氏のディスコグラフィ的要素もありつつ、「音を奏でるとはどういうことなのか?」というメッセージが随所にちりばめられている印象。

まず冒頭から東日本大震災で被災した地域にあったピアノ(つまり津波によって調律を”狂わされた”ピアノ)で坂本氏が美しい曲を奏でているシーンからスタート。このピアノが作品の中盤にまた出てくるわけですね。

 

自然が”調律”したピアノ

そこで坂本氏はこのように語ります。

・ピアノは何枚もの木の板が重なってできている。ピアノの形にはめるために、自然にある状態から人間の文明の力で、半年かけてピアノの型にはめる。

・(ピアノの音程がずれてくると)人間は「調律が狂う」というが、(本当は)狂っているのではなくて、(ピアノを作っている木材は)元の自然の姿に戻ろうともがいている。

・津波は一瞬で(ピアノを)自然な姿に戻した。この自然が”調律”した津波ピアノの音をとても心地よく感じている。

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音楽の「根っこ」とは?

というわけで一部要約して引用させていただきましたが、前後の文脈もあると思うので、もう一度まとめてみると…

いま私たちの聴いている音楽は「平均律」という規則に従って調律(チューニングのこと)された音楽なわけです。そしてそこから少しでも周波数が変わると「ズレた」と認識するわけですね。

まぁ普段はそんなことまで改めて考えないわけですが、本来音楽は宗教的な儀式、さらに自然への信仰と密接に関わってきたものであるということもたまには思い出したいというか…思い出さなきゃいけないなということですね。

そこの「根っこ」の部分を完全に忘れると、人間が決めた「平均律」というルールの上でのゲームを楽しんでいるようなことにもなりませんのでね。

もちろん現代のDAWソフトによって完全に統制されたリズムとしてパッケージすることも大切なんですけど、たまには「太鼓をたたく喜び」みたいなものも思い出してみましょう、ということですね。打楽器は音楽の最初期からあったツールですからね(多分)。

「近代化」と「標準化」

最後に少々蛇足ですが…このDVDをみていてふと思いついた動画をご紹介。

メディアアーティスト・筑波大教員である落合陽一氏の講演の中に(22:44あたり)この映画と通じるものを感じる部分が。

www.youtube.com

・人間は「標準化」を経て近代に至った。

・「標準化」とは、平均化や、最大公約数を重視すること。

・この人間社会の「何が”標準”か決める」ことをやめていかなければならない。

・健常者を決めると障碍者がきまる。

いきなり話が飛躍して恐縮ですが、要はここで言われている「平均律」が「標準化」のことではないかと。

まぁこれ以上は長くなるので興味を持った方はこちらをご覧ください。

おわりに

というわけで今回はあちらこちらに話が飛躍しましたが。要は「たまには人間の決めたルールを疑ってみよう!」みたいなことですかね。

そうすると音を奏でる行為である「演奏」を見直すきっかけになるかもしれないので。

ではでは。

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