ミニマリストのための映画「365日のシンプルライフ」を見た感想

はじめに
さて今回は映画レビューです。Amazonプライムに今更ながら入って急に映画熱が復活しそうで怖いです笑。
そんな中で見たのが「365日のシンプルライフ」。これはNZ在住の作家の四角大輔さんがポッドキャストで紹介されていて知りました。
タイトルから分かる通りミニマリストのための映画ですね。なのでミニマリストの方は一回見ておいてもいいのではないでしょうか。
とはいっても何か画期的な「ミニマリズムの方法」を「頭で」学ぶタイプの作品ではないですね。「ミニマリズムとは何か?」みたいなことを「身体でじんわりと感じる」ような映画だと思いました。
そんなわけで概要をここではご紹介したいと思いますが、ネタバレも多分に含むのでご注意ください。では本題に。
だいたいの内容
フィンランドの青年が失恋を機に自分の持ち物を全てトランクルームに預けてしまい、一日一つだけは取りにいっていいというしばりを自分に設けて暮らすという始まりです。
まさにイメージとしては現代版の無人島生活のような感じですね。
ただ本当に「全部」あずけてしまうので、始まりは「全裸」というのはまさかの展開でした(確かに全部預けたらそうなるか)
これって私の世代だと「電波少年」という伝説のバラエティー番組で「懸賞生活」というコーナーが結構リアルにシンクロしたりしました…。
お笑い芸人のなすびさんが、全裸でアパートに連れてこられてハガキの懸賞で手に入れたものしか生活できないという縛りで行うコーナー。
今考えると、絵的に絶対NGなコーナーでしたが…当時の古き良き時代ならではといったところでしょうか笑。
人生の幸せとは?
さて話を戻すと、このまさに「裸一貫の状態」から生活に最低限必要なものをひとつずつ倉庫から出していくわけです。
作中のセリフでもありましたが、この実験は1年間つづく、つまり「365個」のものをひとつづつ取り出していくわけですが。
だんだん中盤に差し掛かると「そこまで生活に必須なものばかりではない」ということに主人公が気づいていくんです。
一方で序盤に「ずっと床に寝ていた生活」から、マットレスで寝た時は本当に幸せそうな表情をしてますね。
なんか大袈裟かもしれませんが、結局人生って「不足しているものが埋まった瞬間」にこそ幸せを感じるものであり、全部満たされてしまうと贅沢なことに幸せを感じなくなってしまうのかもしれませんね。
ちょっと話がそれますが、例えばクレジットやらマイナンバーカードやらが入った財布を「無くした」とします。
どこをさがしても出てこない。「これは本当にでてこないか…全部手続きし直すのか」とめちゃくちゃ凹んだ時に財布が出てきた時って本当に嬉しいですよね。
その時に感じるのが本当の幸せ…なのかも。
人生はモノでできていない
それともうひとつ。
作品のキーパーソン的なキャストとして主人公のおばあちゃんがでてくるのですが、「人生はモノでできていない」という名言が印象深かった。
この作品から感じることって「自分」という存在と「自分の持ち物」という存在はどうしてもその境界線があいまいになりますい。
これって有形のものだけではないですよね。「年収」「肩書」「貯金」「学歴」などなど、いろんなものも含まれます。
ただ私はこれらを否定する気も全くないんですけど、この作品をみると「一度モノをすべて手放してみると、”自分”という存在が立ちあらわれてくる」という擬似体験ができますよ、ということかなと。
その擬似体験をしたうえで「年収」やら「肩書」やらを追い求めるのは大いにありなわけです。
おわりに
というわけで今回はこちらの映画レビューでした。
さすがに、この壮大な実験はいまの日本では難しそうです。
でもちょっとアレンジするならばトランクルームを借りて、全裸まではいかなくとも、生活に無くても死なない程度のものを全部預けてみるというのはちょっとおもしろそうですよね。
捨てるわけではないので、ハードルも低く始められるし。今現在、モノが溢れている人はいかがでしょうか?ではでは。