ドラマーは全ジャンルを叩ける「オールラウンダー」になるべきか?

はじめに
今回はドラムの話…ではありますが他の楽器にも通じる話ではあります。そしてテーマは「オールラウンダーになった方がいいのか?」と言うこと。
とは言っても「そんなこと考えたこともないんだけど…」と言う方もいるかもしれませんが、自分が普段やらないような曲をたまたま演奏して、「え、自分こんなに下手だっけ!?」と落ち込んだことがある方はいると思います。
つまりこれはどう言うことか?というと「音楽のジャンルをちゃんと考える」ということはとても大事、かなと。
ただ一昔前と違って最近の音楽はよりジャンルの境がなくなっていることも事実。
でも「ジャンル」というのは料理で例えれば、和食、洋食、中華、などのいわば「基礎」がぎっしり詰まっているものでもあります(つまり美味しい創作料理を作れる人はあるジャンルをしっかりと習得した料理人であるということです)。
…ということで話が脱線しましたが、今回は「オールラウンダー」について考えてみたいと思います。
なので今回の記事の対象としては、
✔︎「オールラウンダーになりたい」と考えているドラマー
✔︎「オールラウンダーにならないといけないのかな?」と考えているドラマー
このあたりの方にお役に立てばと。なお内容的には初級から中級の方に向けてになります(つまり初級の方は自分の好きなジャンルをやるべきだと思いますので自由にやってください)。
では前置き長くなりましたが本題に。
結論→自分の得意ジャンルを1つ持って”横展開”していこう
一応用語の解説をしておきますが、オールラウンダーとは「全ての音楽ジャンルを演奏できるプレイヤー」のことです。
具体的には「ロックもジャズもラテンもメタルもハードコアもプログレもテクノも…全て演奏できる人」みたいな感じでしょうか。
で、今回の結論としては「まずは自分の得意ジャンルを1つ持ってそこから”横展開”していこう」ということです。これって裏を返すと「完璧なオールラウンダーになるのは相当大変」ということです。
いわゆるスタジオミュージシャンという「ドラムの職人」な方々はオールラウンダーに近いかなとは思いますが、その中でも得意ジャンルはあるかなと思います。
もしお気に入りのスタジオミュージシャンがいて、その参加作品を追いかけたことがある人ならわかるかと思いますが、ゴリゴリのメタルの作品に参加したり、一方でジャズに参加したり…という人はあんまりいないのではないかと思います。
”横展開”とは?
というわけで、「オールラウンダーにならないといけない!」と考えるとそのハードルの高さゆえにドラムを叩くと自体が苦痛になってしまう…という危険もありますのでまずは「自分の得意ジャンルを1つ作ってそこから横展開をする」のが現実的かなと思います。
これは例えば、「ロックが得意ジャンル」であればそのロック的な解釈でジャズを演奏してみるとかですね。
更にここで大事なのは「どこが共通点で、どこが違う点か?」を考えてみるといいと思います。
例えば今あげた「ロックとジャズ」という2つでいうと…
✔︎共通点→3連符や6連符のフィルインは似ているものがある。
✔︎違う点→ジャズのリズムはあんまりハイハットでは刻まないし、バスドラムも1、3拍に必ず入るわけではない。あとドラムのチューニングもミュートはしない。
…こんな感じです。つまり共通点は「すでに使える自分の武器」になるわけなので、ジャンル間の「違い」を1つづつ勉強する感じで進めていくと、ドラムが苦痛ではなくなると思います笑。
さらには「自分の得意ジャンルを作る」ことで、この「音楽ジャンルを超えた共通点」をしっかり理解できるので、そういった点でもまずは「自分の得意ジャンルを作る」ことをお勧めしたいと思います。
オールラウンダーはいるのか?
最後におまけのトピックを1つ。
「オールラウンダーは難しい」とは言いましたが、広い世界を見渡すとこういう人はおりまして、今この記事と書いていてパッと思い浮かんだのがトーマス・ラング氏。
ご覧の通りの引き出しの広さですが、まさに全ジャンルを行き来できる世界トップレベルのオールラウンダーだと思いますね。
終わりに
というわけで今回は「オールラウンダー」について書きました。
最後に改めて書くと、「基礎」はどのジャンルでも絶対に必要(つまりどのジャンルにも共通する部分です!)なので、1にも2にも基礎練習はした方が良くて、あとは自分の慣れないジャンルでうまく叩けなくてもそんなに凹まないことが大事なのかな…と思います。
ではでは。