【書評】レバレッジ・シンキング【本田直之・著】
今回はミニマリズムなお話。モバイル・ボヘミアンでも有名な本田直之氏のこちらの著作からいくつかピックアップしたいと。ただ序文がやたら長くなってしまったのでその点ご了承ください…。
本田氏は本書の中でもビジネス書を大量に読むことを推奨していますが、よく「ビジネス書あるある」的な話で…
「読んだ直後はその気になるんだけどねー結局何にも変わらないんだよね笑」みたいな話から、「ビジネス書、自己啓発書の類は読んでも意味がない」という結論になりがちですが。
それはおそらく「本を読むと考え方が変わる」という思考がもたらす結果ではないかと。
つまり、「本を読む」という体験は人間にとってそれほど強烈な体験とはなりにくいのです(もちろん強烈な体験となることもありますが、私もいまだかつて人生の中で数冊しかありません…)。
一番極端な例でいえば、何か死にかけたような体験を境に人間がガラッと変わるという話はあります。それがいい意味なら、事故や大病で死にかけた経験を経て、そこから人生が好転したり、悪い意味なら戦争から帰還したあと人が変わったように暴力的になったり。
つまり、「ある程度強烈な体験」をしないと人間の考え方のクセは変わらないというのが定説のようです。なので医療の領域ではカウンセリングの中で認知行動療法というプログラムで行ったりもしますが、
少し前に話題になった堀江貴文氏の多動力でも理屈は同じではないかと。
要は人間は、実際に行動してある程度の体験をしないと、これまで作られてきた考え方はそう簡単に変わらず、またいつもの日常に戻ってしまいます(これをホメオスタシスと読んだりもしますが)。
えー、だいぶ前置きが長くなりましたが、何が言いたいかというと、ビジネス書には生活を改善するヒントがたくさん詰まっていて、それをわずか千円ちょっとで読めるのはコスパは大変良いわけです。そこから後の取捨選択は自分ですればいいわけですしね。
なので別に考え方を変える必要はなくて、とりあえず行動した方がいいわけで、その成果物として考え方が「気付いたら変わってた」みたいなのが自然なのかなと思います。
というわけでようやく本題に。私も「モバイルボヘミアン」で本田氏の著作に初めて触れたのですが、これはその前に出版されたもので、モバイルボヘミアンを目指さない人にとっても良質なヒントが沢山。
3つほど今回は引用いたします。
DMWL(Doing more with less)を常に意識せよ
このDMWLが本書のテーマの「レバレッジ」ということらしいのですが、要は少ない労力で大きな成果を得るということでしょうか。例えば楽器の習熟のための時間のやりくりにいつも悩まされている場合だったら、「今の自分の課題」と「すでにできていること」をきっちりとすみ分けてみると、効果大、ですね。
自分の目的を明確に定めたうえで、自分とタイプの似た人のノウハウを参考にする
本文では松井秀喜選手の「不動心」が引用されていますが。
体格が根本的に違う大リーガーのバッティングは目指しても仕方ない。以前も書きましたが、特にドラマーであれば外人とは言語や骨格が基本的に違うので、日本的なしなやかなドラミングを目指した方が、「レバレッジ」はかかるかと。
読書を始める前には、まず読書は問題解決のために行うものと意識する
冒頭にビジネス書の有益性について書きましたが、「何かいい本無いかな」という気持ちで書店をぶらつくと「あれも、これも」状態になって全部必要に思えてしまって結局何も読まないなんてことも。
先ほども書きましたが「今の自分の課題」「必要としている情報」を見極めたうえで本を選ぶといいのではないでしょうか。
というわけで引用は少なめですが、前から書きたかったことがいろいろ書けたのでよかったです笑。
ではでは。