バンドスコアのドラム譜が「読めるけどコピーが難しい!」とお悩みの方に向けて

目次
はじめに
今回は再びドラムのお話。テーマは…「コピーを頑張っているドラマー」に向けて「バンドスコアを簡単にする方法」です。
というのもある程度ドラムをやっていると次第にバンドスコアが読めるようになり、「ここはこう叩かないといけない」という理解はできるようになります。
しかし「わかったけど、叩いてみると難しい」という事態がよく起こります。それもそのはず、バンドスコアはプロのドラマーが叩いているフレーズを忠実に再現したものなので難しくて当然は当然です。かといって「難しいから諦める」というのももったいない。
そこで「バンドスコアをどのように簡単にするのか?」ということが大事になってきます。
もちろんレッスンを受けている方であれば講師に聞けばすぐに簡単にしてくれますが、独学の場合はなかなか悩むところではないでしょうか。
なので今回は「どのようにバンドスコアのフレーズを、自分の叩けるレベルに合うようにしていくか?」というコツをいくつかご紹介。では本題に。
基本は「一発の」バスドラムとスネア
まず、ドラムの「核」となる部分、つまり「これ以上は削れない」という限界を知っておく必要があります。
ジャンルによっても若干変わってきますが、おそらくドラム人口が多いであろうポップスやロックなどの軽音楽では、「バスドラムとスネア」がベースにあり、その上にシンバルなどのいわゆる「金物」が乗っかってくる…という理解がめちゃくちゃ大事です。
それを踏まえた上で「じゃぁバスドラムとスネアをどこで叩くか?」という事なのですが、結論を言うとこんな感じです。
✔︎バスドラムは小説頭の1拍目
✔︎スネアドラムは2拍目と4拍目
…これだけです。時代の傾向としてバンド系の音楽でも複雑なフレーズを使うようになってきたので、そうすると余計にこの「バスドラムとスネアドラムのみに行ったん削ぎ落としてみる」という作業は重要です。
これはフレーズを簡単にするだけでなく、完コピするときもフレーズの全体像をつかむためにも大切かと思います。
シンコペーションは守ること
今しがた「1拍目のバスドラムと2、4拍目のスネアドラムが大事」と書きましたが、例外があります。
それはこんな感じの「シンコペーション」という「拍が一個前に飛び出ているリズム」のとき。
これを無視して先ほどのように簡単にしてしまうと、他のパートとのリズムがずれてなんとも残念なコピーとなってしまいます。
曲によっては、シンコペーションしたりしなかったりする曲が多いので、結構面倒臭いですが、丁寧に見ていった方がいいと思います。
シンコペーション自体は練習すればなれるので、ここはしっかりと忠実にコピーするといいです。
フィルインは難しければ全部スネアドラムにしてしまおう
次の問題はフィルイン(いわゆるオカズのこと)。バンドスコアはプロのプレイをそのまま楽譜にしたものなので、結構難しいフィルインが多い。
では「なぜ難しいのか?」と考えた時に、タムタム間を素早く移動するというテクニックが要求されることが多いからです。
特に難しいフィルは全体のリズムが崩れやすい原因になるので、こう行ったときは潔く「全部スネアドラム」とかに置き換えてそこまでの違和感がなければそれもありです。スネアドラムだけだと難易度はぐっと下がるので曲の雰囲気を壊さなければOKです。
早くて叩けないときは叩く回数を半分にする
テンポの速い曲だとどうしても「手が追いつかない!」というお悩みが出てきます。
ただよくよく考えると「叩く回数は半分でもいいのではないか?」ということも考える余地ありです。たとえば16分音符を8分音符に直して違和感がなければそれもアリです。
それでも…簡単にできないものもある
ただそれでも簡単にできないものがあります。
それは「ツインペダル(ツーバス)を多用する曲」です。
結構ギターやベースとツインペダルとのユニゾンがありますので、そこを「簡単にしちゃえ」とシングルペダル、つまり片足でやるとかなり物足りないです。
フロアタムで代用、という手段も手が足りないことが多いです。なので今回ご紹介した方法が「万能」である、ということではないことを最後にお伝えしたいです。
終わりに
というわけで今回は「バンドスコアをどうやって簡単にするか?」ということなのですが。
色々書きましたがポイントとしては「派手に簡単に」です。
この話は過去記事でも書きましたが、ドラマーの細かいマニアックな努力ってドラマー以外には伝わりにくく、その代わりに聴き手であるお客さんやバンドメンバーは「全体の印象」や「音色」で判断します。
なのでその辺のコスパの良い「手の抜き方」は大事ってことですね。これってバンドスコアが完コピできる中級者以降になっても、大事なことかと。ではでは。