バスドラムのペダルの踏み方を考える時に意識すべきこと

はじめに
今回はドラムのお話。最近バスドラムの話ばかり書いている気がしますが…今回もまたバスドラムのお話(それだけ奥が深いのです…)。
テーマはバスドラムの「音の飛ばし方」というなかなか抽象的なもの。ご存知、音の正体はは空気の振動なので、ドラムを叩けば勝手に遠くまで伝わります。なのでこの「音を飛ばす」という感覚は極めて抽象的なものです。ただ抽象的な話だけに…これについては初心者のうちから意識しておくとその後の「伸びしろ」が開いていく本質的なお話だと思います。
「意識を変えるって気持ち的なものでしょ?」と思う方もいると思いますが、これはおまじないや魔法、気休めののようなものではなく、意識を変えると身体の使い方が確実に変わります。
このブログでも身体の使い方はたくさん書いているので、今回はこの「意識の変え方」をメインにお伝えしたいと思います。では本題に。
ワンバス(シングルペダル)の場合
まずは基本のワンバス(シングルペダル)から。
ドラムのペダルってどうしても見た目上、バスドラムを足で叩くイメージ、つまり自分の足元で音を鳴らす感覚を持ちがちですが、特にバスドラムで「ドンッ!」という強烈な音を出したいときは音を大砲の様に遠くに飛ばすイメージを持ちます。
そしてこのイメージを持っていると、自然とそうなるような身体の使い方に近づいていくと思います。
具体的には、リハーサルであればバスドラムで出した音をドラムセットの5メートルくらい遠くに届けるくらいの気持ちでやってみるといいと思います。このイメージの習慣ができていると、ライブ本番でもステージの広さに飲み込まれることなく、いつも通りの演奏ができます。
ツーバス(ツインペダル)の場合
次は両足でドコドコやるツインペダル編。「どっちもペダルなんだからワンバスのときと一緒なのでは?」と思う方もいると思いますが、ちょっと事情が違います。
確かにBPM120くらいのゆっくりめなツーバスのパターンなら「音を飛ばす」ことについても対応できますが、これがBPM170あたりの速さにになると、身体を細かく動かさないといけないので「ドンッ!」という「音を飛ばす」ことが追いついていかないわけです。
もちろんその速さでも音は遠くに飛ばせた方がいいんですけど、急に改善は無理なものは無理なのです。
つまり何が言いたいか?というと、速いテンポのツーバスの曲の時は無理せずに自分の足元くらいまでの距離に音を届けるくらいのイメージに切り替えることも必要です。
これを認識しないと、「音を遠くに飛ばさなくては!」という認識と、実際にスピードに追いつかない現実との間にズレが生じて、余計に演奏がちぐはぐしてしまいます。あとはビーターを変えるとかでも工夫はできるので過去記事も合わせてご覧ください…。
終わりに
というわけで今回はだいぶ抽象的なお話でしたのでもう一度まとめると、バスドラムの音は「足元で鳴らす」よりかは音を遠くに飛ばすようにイメージした方が良い、ということでした。
ただし、コンパクトで速い足の動きが要求されるテンポの速いツーバスの曲の時は、身体が動かないうちは無理せずに足元らへんに音を届けることから始めた方が良い、ということです。
この「音を飛ばす」というのはドラムに限った話ではなく基本的にどの楽器でも共通する大事なことだと思います。さらにホールのような大会場でやらなくても路上ライブでも必要なことだとは思うので…また折に触れ書いていきたいと思います。ではでは。