「社会不適合僧侶の究極ミニマル生活 くるま暮らし」という本を読んでみました

はじめに
今回も書評記事です。前回に引き続きミニマリスト系の本のご紹介。
今回は車で生活をしている「静慈彰」さんという僧侶の方が書かれた本ですね。
車で生活というと、大リーガーのダニエルノリスさんが浮かびましたが。わが国では実践されている方はまだまだ少ないのではないでしょうか。
しかも職業が僧侶という世間的にはお堅いイメージのあるお仕事。
全国を車で旅しながらまるでフリーランスのように僧侶の仕事をこなす生活の記録が、これまた面白くて。私もこれまたバス移動中に貪るようにあっと言う間に読了。
ミニマリストにとって最大の難関とも言うべき家賃の問題をクリアした車での生活は、人間関係のストレスから解き放たれ魅力的な生活に移るかもしれません。
しかしその生活に至るまでの「生き辛さ」と戦い続けた経緯や、車生活のスタイルを作り上げるまでのマメさはおいそれと真似できないものがあると思うほどに試行錯誤の繰り返しだったのか…と思い知らされます。
といううわけなので、おそらく「車生活をしたい!」という方のための本というよりかは「普通」「世間」「常識」といったワードについつい引っかかってしまう、反骨心を持ってしまう…そんな方にオススメの本ではあります。
ひたすらDIYの精神
著者の静さんは車で生活の全てを完結されているわけですが、よく考えてみるとこれって究極のミニマリスト生活ですよね。
四畳半の家とかで暮らす比では無いですから。
さすがに、全ての荷物を車に積んでいるわけではなく、荷物の保管場所はあるようですが。
とはいえ通常「家」という空間で行うことを車で完結させるのは想像を遥かにこえた大変さのようです(さすがに、トイレとかは外のトイレを借りているようですが)
しかも前例も少ないので自分でベストな方法を見つけていくしかないわけで。真夏の暑さと真冬の寒さと戦いつつも。ひたすら試行錯誤の日々が書かれています。
そこで必要なのが徹底したDIYの精神。
具体的には「現状を打破する力」「圧倒的な探究心」「不屈の精神」みたいなところを感じました。
ただ先日の稲垣えみ子さんの書評記事でも書きましたが、これをガマン大会と思ってやっていないところにポイントがあります。
スピリチュアル系の人もよくいいますが「生きること=不便を克服すること」ということ。
大昔のファミコンの裏技のように、最初から最強だったらゲームって面白くもなんともないです笑。
そして「生きること=不便を克服すること」を実践していくと、それが「生きている実感」へと変わっていくようですよ。
この辺のカラクリがなんとも不思議ですね。
自分を否定しないこと
本書の最後に「ミニマリストかつ車上生活をする僧侶」という極めてレアなライフスタイルを送ってきた静さんならではといった金言が。
多分この本って、ミニマリスト界隈だとphaさんや大原扁理さんの著書が好きな人は絶対好きになりそうな内容なんですけど。
本書の中にも静さんの「社会のレール」と戦い続けた半生の記録が書いてあります。
詳細はネタバレになるので割愛しますが「なるほどこんな半生だからこそ、この車上生活に行き着いたのか…」と納得。
そんな静さんが努力し続けたこと。それがこれ。
「自分を肯定し続けること」
「自分を否定してしまうと体も精神ももたない」
「もちろん反省はする」
「自分を受け入れて自分にないものを諦める」
…難しいけどこの境地に達したいモノですね!
おわりに
というわけで今回は本書のご紹介でした。
車上生活はかなりハードル高いですが学ぶことはたくさんあります。
なにより読み終わった後の清々しさ!体験に裏打ちされた語り口からは勇気すらいただける、そんな本です。
ミニマリストの方は是非とも。ではでは。