宣言記憶と手続き記憶を使い分けて、ドラマーが曲を効率よく覚えるには?
はじめに
今回は久しぶりにドラムのテクニック的なお話でいきましょう。テーマは「曲を早くコピーするコツ」です。
人によってはカンペを作ったりもしますが…カンペを作っても、すぐに自由自在に叩けるようには残念ながらならないんですね。私もこれまで何百曲コピーしてきたか知りませんが笑、凡人の記憶力ながらあれこれ試行錯誤しまして。
要するに「曲を早く覚えて叩けるようになるには?」という目的を達成するために、いろんな要素をそぎ落としていくとある発見がありました。
なので今回はその辺を書こうと。というわけで今回は「コピーしないといけない曲がたくさんあるのに時間がない!」という方のお役に立てばと。では本題に。
宣言記憶と手続き記憶とは?
まず今回の記事を読んでいただくにあたり、記憶の仕組みを二つほどご紹介。それが「宣言記憶」と「手続き記憶」です(他にも分類はいろいろありますが、今回は話を簡単にするためにこの2つの分類にします)。
「宣言記憶」というのは、内容そのものを覚えていることで、要は「頭で覚えること」です。例を挙げれば暗記系科目の試験勉強みたいなものでしょうか。
対して「手続き記憶」は内容というよりも身体の動きそのものを「身体で覚えること」です。例を挙げれば自転車や水泳などでしょうか。
というわけで、以下ではそれぞれがどのように曲の記憶と関連していくのかを書いていきます。
①宣言記憶で覚えられる部分
まず前提として今回は割とオーソドックスなロック・ポップスに的を絞ります(なので、プログレなどの変則的な構成の曲は応用編…といったところでしょうか)。
すると、ロックやポップスはだいたいAメロやBメロは8小説や16小説など、「4の倍数」の小節数であることが多いです。なので、この辺はウォークマンなどで移動時間など使い聴くだけで覚えることができます。つまり、「宣言記憶」をするということですね。
②手続き記憶で覚えられる部分
「じゃぁ手続き記憶はどこで使うの?」ということですが。これは、一言でいうと「ドラムパターンが切り替わるとき」です。例えば…
通常のリズムパターン⇒フィルイン
通常のリズムパターン⇒ショートドラムソロ
通常のリズムパターン⇒リズムパターンが変わる
このようなときに、曲を覚えている「だけ」だとどうなるのか?というと、「頭はついていくけれど、身体がついていかない」のです。
なので、移動時間などに曲を聴きこんで完璧に覚えた気になっても、このような切り替わりの部分は実際に叩いて身体にすりこませる練習、つまり「手続き記憶」で覚えたほうがいいわけです。
2つの記憶の「すみ分け」で練習時間を短縮する
要は最終的に何が言いたいかというと…本当に時間がない時は一曲まるまる曲を流してそれに合わせて叩くような練習を行うと「宣言記憶でまかなえる」部分にも時間を割くことになり、非効率になってしまうということなんです。
なので、本当に時間がない時は、パターンの変わり目だけ繰り返して練習して、あとは全体でさらっと流すという練習もありかなということですね。
おわりに
というわけで、今回のテーマは曲の覚え方についてでしたが、これは私が考えたあくまで一例なのであしからず。
なかなか家で生のドラムセットで練習することが不可能に近いドラマーはこのように自分なりで工夫してみるといいのではないかなと思います。
ではでは。