ドラムが上手くなってくると「意識の向けどころ」が変わってきます

はじめに
今回はドラムのお話。
ちょっと抽象的なテーマなんですが「意識の向けどころ」について書いてみようと思います。
これは自分の辿ってきた変遷や日々のレッスンから気づいた事なんですが、ドラムが上達していくなかで確実に「演奏中に意識を向けているところ」が変わってきます。
今回はそんな話を書いてみようと思います。
「で、これが何の役にたつの?」という事なんですけど、今回の話は「こんな練習方法がありますよ!」的なものではありません。
むしろ「ドラムを叩く事とは?」という大きなくくりの話なので、中級者くらいのドラマーの方で「自分って今どこまで上達したのかな?」とお悩みの方の参考になればと思います。
では本題に。
結論→意識は「上から下に流れる」
結論としては意識は「上から下に流れる」という事です。
これだけだとちょっとザックリしたお話ですが、要はドラムが上手くなるにつれて自分の意識が「上から下に移動していく」ということです。
ここでいう「上」というのは上半身で、「下」というのは下半身というイメージですね。
スポーツをやっている人なら「腰が入ってくる」という表現がわかりやすいでしょうか。
やっぱりドラムは身体全体の運動ではあるし、足より手の方がパワーは無いから最初はどうしても手の方に意識が向くのは仕方ないことです。
更にドラムの練習環境という点においても、手の練習は自宅の練習パッドでできますが、足の練習は騒音が気になったりして、どうしてもスタジオの練習が中心になり頻度は下がります。
つまり何が言いたいのか?というと、「最初はそれでいい」ということですね。
最初はそれでいいので少し余裕が出てきたら「だんだん意識を下に向けていこう」くらいに思って日々の練習を続けていくことが大事かなと思います。
最初はバスドラムが小さくなる
ということなので、ドラムを始めたての頃はバスドラムの音が小さくなります。
もちろん、バスドラム単体でドカドカと大きい音を出すことはできます。
なので、脚力が弱いとか運動神経がそういうことではないと思います。
要するに、ドラムを始めたての頃は手の演奏で精一杯なわけです。
ただドラムは繰り返し練習していくと、その動作が無意識に入っていきます。
そうすると、手に意識が向かなくなってきますので、次第に足に意識が向くようになります。これが上達の自然な流れかなと。
ただこの時に「間違った手の動作」を無意識に入れてしまうとそれがクセとして抜けなくなります。
私のレッスンで音量やスピードよりもとにかくフォームについて細かく修正させていただいているのもそういう理由からなんですね。
なので、最初から無理に「バスドラムの音量を上げないと!」と無理に練習する必要もないのかなと思います。
順番としてはまずは器用な手の動きに慣れてから徐々に取り組んでいければいいのかなと。
意識が下に流れると「脱力」できる
そんな感じで意識が上から下に流れていくと、「脱力」ができるようになってきます。
脱力に関してはドラムが中級に差し掛かる頃に誰もが気になるトピックだとは思いますが、理想型としては、「足をどっしりと安定させて、その上で自由に手を動かす状態」かなと。
ということなので、いきなり「脱力できて、ドラムをバランスよく叩く」というのを目指すとなかなかキツいです。
まずは、手の演奏で脱力ができるようになってから、ドラムセット全体の脱力に取り組んでもいいかと思います。
ただ、本来脱力というのは身体全体を連動させてドラムを叩くことです。
なので、理想としては「下」つまり「足」から取り組むべきなのですが、これは結構難しいです。
難易度としては、手が自由に動く方向から取り組む方が簡単ではあります。
おわりに
というわけで今回はちょっとザックリしたお話でした。
まぁドラムに限らずスポーツでも言えることだとは思います。
ただドラムの場合は「両手足全部で演奏しなきゃ」という意識のためか、意識の向けどころを特定しにくいのかなと思ったので今回のお話を書きました。
よければご参考までに。ではでは。