DREAM THEATERのドラマーオーディションから学ぶ…「バンドに合わせるドラム」について
はじめに
さて今回はドラムのお話。テーマはざっくりいうと「ドラマーがバンドに溶け込むことについて」ということでいきましょう。
これは要は「単体でめちゃくちゃ上手いドラマーもバンドに合わせないとドラマー自身の良さが引き出されない」という音楽の不思議さ、人間の不思議さについて今回は考えてみたいと思います。
というわけでで今回はそんな話に興味がある方、または「バンドでまとまりを出したい!」とお悩みのドラマーのお役に立てばと思います。では本題に行きましょう。
Dream Theaterの動画から学ぶ
今回の題材はこちら。メタルや複雑な音楽好きなら説明不要のアメリカのプログレッシヴメタルバンドの大御所のDream Theater(以下、カタカナ表記)。
タイムリーな話題としては最近こちらの新譜が発表されましたね。
メンバーも50代に突入していますが、サウンドは更に重みを増し、更に輝かしいキャリアが豊かな音楽の「間」を生み出し、抜群の安定感。
で、知らない方のために言っておきますが、今から遡ること9年前、なんとバンドリーダーでドラマーのマイクポートノイが衝撃の脱退。
ドラムでリーダーというまさにバンドの屋台骨がいなくなってしまいこれからどうなるの?みたいなヒヤヒヤ感が当時ひしひしとありました。
しかしオーディションにオーディションを重ねて…めでたく2代目ドラマーのマイクマンジーニに決まり今に至るわけです。
そこでこの公開オーディションの様子がYoutubeにアップされたということです。(長いのでダイジェスト版を載せておきます)
私もこのオーディションの動画を見るまでは新ドラマーが誰か知らなかったのでまるで映画をを見るようにワクワクしてみた覚えがあります。
なんかこう書くと知ったかみたいで胡散臭いんですけど(心理学では後知恵バイアスといいますが笑)、動画を見続けていくうちに合格はマイクマンジーニかな…と薄々思ってました。
これは決してマイクマンジーニがギネス記録の保持者とかそういうテクニック的な話ではなく、他のメンバーの音に一番合っていたからなんです。
もちろん他のドラマーも、その界隈では名うての一流ドラマーが勢ぞろいしていました。
しかし「おや?」と思う瞬間もしばしば。つまりどういうことか?
オーディションされる側の「曲の理解」
このオーディションはドリームシアターのメンバーと一緒に課題曲とフリーのジャムセッションをするというメニューでしたが、オーディションする側のドリームシアターのメンバーは当然自分らの演奏の「息遣い」は変えないわけです。
するとオーディションされる側のドラマーが「いかに元からいるメンバーに合わせるか?」ということです。
しかも課題曲の一つは一筋縄ではいかない「The Dance Of Eternity」。
Youtubeにもいろんなドラマーが挑戦してアップしてますが、やはり本物と合わせるとなると細部にわたる相当な曲の理解が必要ということですね。
なのでドラマー単体だと超人的なテクニックを駆使してもバンドに合わないとそのドラマーの良さも発揮されない…というのを勉強するにはこれほど良い教材はないのではないのでしょうか(でも次元が高すぎる話なんですけどね笑)。
前任のドラマーのマイクポートノイも割とかっちりと叩くスタイルでしたが(それなのでディープパープルやメタリカのカバーアルバムは妙にかっちりしている)、私が思うドリームシアターのアンサンブルの魅力って音符と音符の間の一瞬の「間」が心地いいところかなと。
だから怒涛のように音符を詰め込んでも聴いていて飽きないのかなと思います。マイクマンジーニはその「間」に見事に寄り添って叩いていたのかなと思います(真相は知りませんが…)
終わりに
というわけで今回は思いっきりファン目線の内容になりましたが笑、生身の人間がやることだからこそ同じ曲を叩いても合う合わないを含め色んな化学反応が出る…というところが面白いなぁ、とふと思ったので書いてみました。ではでは。