服装と奏法のアンビバレントな関係②~ドラマーの靴選び~
今回も前回同様に、ドラムと服装の関係について考えていきたいと思います。
前回の項目だけリストアップするとこんな感じです。
【ドラマーの服装の問題点について】
①暑い!!
②袖やブレスレットが引っかかる
③スキニー系のパンツが窮屈
というわけでこの続きから。
④ビーターが裾に引っかかる
裾が広くて、足首が出る位の短めの丈のパンツは腰回りがゆったりしていて尚且つ身体のシルエットが整えやすくコーディネイトしやすいのですが、ペダルのビーターが裾に引っかかりやすいという問題点があります。
極端な話、ビーターを短めにペダルに取り付ければこの問題は回避できるのですが、ビーターはある程度長めに取り付けないと足裏の動きを合理的にペダルに伝えるのが難しくなるので、(なぜならビーターの先端の重さを遠心力として使いにくくなるからです)これはあまりお勧めできないかなと。
⑤靴の制約が多すぎる
以前の記事でも書きましたが、ここでも改めて触れるくらいに大事な問題かと思うのでここで改めて。ドラマーの靴選びは見た目との兼ね合いを考えると色々と制約がでてきてしまいます。ドラミングに適している靴の条件はいくつかあり、ここで改めてリストアップしてみたいと思います。(以前の記事と重複していたらすみません)
・軽い:
これは大前提です。買うときに手で持って「軽いかな」と思っても、ドラミング時の脚の疲労具合はとても繊細というか、パワーはあるものの、腕より確実に不器用なのが脚なわけなのですね。
しかも、脚の疲労は一番演奏の「キレのなさ」に影響します。これはバスドラムがもたってくるとかそういうこともあるし、脚のふんばりというか地面を蹴り上げる力が楽器演奏の要であるということもいえますので(これは「アレキサンダーテクニーク」に関する本も参考にしてみてください)
・脚との隙間がない:
要するに足にピタッとしている方が良いです。逆に隙間があってパカパカしているとどうなるか?というと、今しがた書いた「地面を蹴り上げる」力が逃げてしまいます。
(なかなかうまい例えが思いつかないのですが、握りこぶしをゆる~く握った状態で殴られてもそんなに痛くないような感じ?でしょうか)。
これに関しては慣れてくるとクロックスでも問題ないことは過去記事で書いた通りですが、さすがに本番はちゃんとした靴がいいでしょう…見た目的にも笑
・靴底が薄い:
これについては人それぞれな部分もあるかと思いますが、私が思うに上記で書いた「脚との隙間が無い」靴が良い理由と同じように、やっぱり、靴の底が厚いとそれだけ衝撃を吸収するので底は薄い方がいいかと思います。
逆に言えばそれだけの衝撃を地面を蹴り上げた反作用として身体につねにもらっている状態なので、しっかりと力のベクトルの逃げ道を作ってあげないと腰痛になりかねないのもドラミングにおける注意点でしょうかね。
・靴の先がとがっている
私のブログではちょいちょい中学校程度の理科の話が出てきますが…ドラムをやるうえで知っとくと便利なのが理科の力学の知識です。といっても物理の様に文字式の計算まではやる必要はそんなになくて(ひょっとしたらあるかもしれませんが…)、
中学校で習ったくらいの、昔っぽく言えば「第一分野」の理科の知識ですね。そこで、圧力の公式を習ったと思います。
それは、圧力=力/面積
です。これをドラムに応用すると、圧力が大きいほど、ビーターの力をバスドラムにかけられるということなので、太い「ドスッ」とした音が得られるわけです。
そしてこの公式の通り、分母が小さくなるほど、全体の値、つまり圧力は大きくなるので、面積を減らせばいいのですが、それには先が尖っている靴の方がペダルのボードとの接地面積を減らせるということなのです。
(ただし、常にこの奏法のみかというとそうではないと思いますが。バスドラムの奏法はいろいろあるので)
…という具合でまだ靴のネタはあるのですが、主旨がずれてきたのでここで一旦リセットします笑
続きはまた次回に回しましょう。
ではでは