ドラマーならみんな気になる…「グルーヴ」は目で見えるのか?
はじめに
今回はドラムの話。テーマは「グルーヴを目で見てみる」というもの。
よくグルーヴが大事と言われますが、このグルーヴというものは極めて抽象的なお話で、「グルーヴ=フィーリング」というイメージを持たれがちです。
確かにそうではあるのですが、そうは言ってもグルーヴを理解する上で分かりやすい説明があった方がいいかなと思いまして…今回は、「目で見えるグルーヴ」ということを念頭にグルーヴの概念を少しでもご説明できればと。
…何か壮大なことを言っているようですが、今回の記事の内容はある程度の水準のドラマーはほぼ全員できているお話かなと。
なので今回はある程度ドラムが叩けるようになってきて、「グルーヴって何?」と気になりだした方にも読んでいただければと思うのですが、ドラムをはじめたばかりの方も早い段階で理解しておくと今後の伸び代が格段に変わるので、ぜひご参考に。では本題に。
①直線的なグルーヴ
とは言っても、グルーヴというものはいろんな要素の複合体であり、究極的には「フィーリング」です(冒頭の話と矛盾してるようですが)。なのでドラマーが死ぬまで追求するものではあります。なので今回のテーマの「目で見えるグルーヴ」はグルーヴという概念の氷山の一角の一角の一角…くらいの話です。
というわけで話を始めます。まずはメトロノームをbpm120くらいで鳴らしてみてください。ここでメトロノームに合わせてスティックをカチカチと鳴らしてみてください。
まず一番基本的なグルーヴは「上下に鳴らす直線的なグルーヴ」です。まずはこれがベースとなります。これはこれで表現的には”あり”なグルーヴで、わかりやすく言えば、打ち込みドラムっぽいグルーヴだと言えます。
私なりにグルーヴを視覚化してみました。①これはサラッとした直線的なグルーヴ。#ドラム #グルーヴ pic.twitter.com/0JsYPgWf5v
— あるごん (@kah35sx) 2018年10月10日
②曲線的なグルーヴ
これがある程度理解できるようになったら…徐々にこのグルーヴを直線から曲線へと変えていきます。下の動画だとちょっと大げさにやっていますが、結構粘り気のあるグルーヴを表現した(つもり)です。
次は②粘っこい楕円系のグルーヴ。実用的にはこの①と②のグルーヴの中間でどれだけ曲にあったグルーヴが出せるか?がその人の持ち味になるのかなと。#ドラム #グルーヴ pic.twitter.com/yFUrDibCjV
— あるごん (@kah35sx) 2018年10月10日
ただ「①と②のどこが違うの?」と思った方もいると思うので、一番わかりやすいポイントは「スティックの接着時間」です。
①の直線のグルーヴと比べてみても、②の曲線のグルーヴは、スティック同士が鳴るまでは、ギリギリまでスティック同士がくっついていることがわかります。そしてこの曲線のグルーヴを実現する為には、腕を鞭のようにしならせる必要が出てきます
実際のリズムではどうなのか?
というわけで、ここまではグルーヴのイメージ的なものをお伝えしましたが…「実際のリズムではどうなのか?」と思った方がいるかもしれません。
一番理解しやすいのが、ジャンル別で考えてみるということだと思いますが、それを一つづつ書き出すと文字数的にボリュームが膨らむので、今回お伝えするのはジャンルではなく「ハイハット」「ライドシンバル」を例にお話しします(というのもグルーヴを確認するのに適しているので)。
多分一番わかりやすいのが、ジャズドラムのシンバルレガートでしょう。これは試しに無料とか安い打ち込みソフトでジャズを打ち込んでみるとわかりますが、なんというか硬いしチグハグなわけで。
つまり打ち込みのグルーヴは完全にジャストなので、上記で書いてきた「曲線のグルーヴ感」は微塵もないわけで笑。なのでジャズではあまり「直線のグルーヴ」を使うことはないでしょう。
続いてロックやポップス系ではどうか?この場合特に”デジタルデジタル”した同期を流して、それと一緒に叩くときは直線のグルーヴの方がハマると思いますし、感情的に歌い上げるボーカルの後ろで叩くときは曲線のグルーヴがハマるでしょう。
おわりに
というわけであんまり具体的な方法までは言及できませんでしたが、大事なことは「直線のグルーヴと曲線のグルーヴ両方」ができるようにしておいた方がいいかなと。
そしてその中間の「ちょっと曲線」くらいのさじ加減のバリエーションもたくさん持っておくといいと思います。
ではでは