ドラマーはメトロノームをどう使いこなすべきなのか?【メタル編】
はじめに
今回はドラムの話。最近リズムの「間」の話をよく書いてますが、今回はメタル系の練習をするときの「間」の考え方について私の意見を書いてみようかと。
具体的には「メタル系のドラムの練習におけるメトロノームの使い方」についてです。
まず結論を先にいいますと、メタル系のドラムの練習をするときは「8部音符のクリックも弱めに鳴らしておこう」というものです。
なので無料のメトロノームアプリや安いメトロノームにはこの機能がないので、もしちゃんとドラムをやりつもりなら自分用に一台持っておくといいですね。またはスタジオノアとかだと備え付けで使えるのでそれでも大丈夫です。
では順を追って説明しますが、以前、リズムの微分と積分という記事で、一拍の分割の細かさを微分という言葉を使い説明しました。
そしてこの「一拍の分割を曲にあわせて使い分ける」という事が今回のポイントなわけです。なので具体例とともに考えてみましょう。
①ただ打ち込んだだけのドラム
DTMなどで「ただ打ち込んだだけのドラム」は機械なので当然寸分のズレもありません。しかしこれにギターやベースや歌という「人間がプレイしたもの」をのせるとなんかしっくりこないんです。これはどういうことか?
つまり、人間のが演奏するドラムはジャストなタイミングからずれているわけです。
ただここで強調したいのは「4分音符」という大きい分割のタイミングまでずれるとそれはただのズレた演奏になります笑。
なので4分音符より細かい分割の中で微妙にズレるからこそ心地よい演奏が生まれます。そしてこのずらし方こそがそのドラマーの持ち味というか、価値になるわけです。
②メタル系のドラム
ではメタルの場合はどうか?メタルは基本的にギターはズクズク、ドラムはドコドコという16分音符の分割が基本です。なのでいくら”味”だからといって、8分音符単位でズラすと、バンド全体の演奏がもやっとする可能性が出てきます。かといって、打ち込みの様に16分音符を均等にした演奏は、硬い演奏になる。
つまり何が言いたいか?
それは8分音符のラインはキッチリ合わせて、個人の”味”であるノリとか表現は16分音符の単位の分割でやった方がいいと言うこと。
もちろん熟練したメタルバンドになれば8分音符単位で”味”であるリズムのゆらぎを作れるかもしれませんが、まずは8分音符はキッチリと合わせた方がいいかなと。
実際どう練習するか?
これは前回書いた様なブラストビートを取り入れた練習や、メタルの基本的なツーバスのリズムなど、16分音符がリズムの核となっているパターンを、メトロノームの4分音符と8分音符を鳴らして練習します。ただ、ボリュームのバランス的には8分音符の方は小さめがいいかなと思います。
このときに聴くべきポイントは、①「8分音符のラインは守れているか?」ということと、②「16分音符のラインでは人間らしい”ノリ”が出せているか?」ということかなと。
つまりドラマーに必要な①「客観的な視点」と②「主観的な視点」の両立が、ここでもできているか?ということかなと思います。
おわりに
というわけで今回はリズムをどこまで細かく分割して、どの部分に人間らしい「ゆらぎ」を持たせるか?ということでしたが、このテーマはこれだけ打ち込みドラムが汎用化した現代にドラマーが考えるべき問題かなと思います。
ではでは。