ドラマーが歌えることのメリット③~ドラミングの「ブレス」について~
では前回の続きで「ブレス」の話ですが、
カラオケである程度同じ曲を繰り返し歌いこんでくるとその歌の息継ぎのポイント、つまり「ブレス」と呼ばれる位置がなんとなくわかってきます。
(ちなみに、歌う曲は絶対に自分の好きな曲がいいです…!)
そして、一旦息を吸ったら、次のブレスのポイントまでの間はその吸った息を小出しにして途中で息切れを起こさないようにしないければいけません。
(分かりやすくお金にたとえて言えば、給料日から次の給料日まで工夫しながらやりくりするようなものでしょうか)
つまり、息を吸い込んだ量を把握して次の「ブレス」のポイントまで吐く息を「均等に配分」する必要があるということです。
この「均等に配分」という点がドラミングにおいても同じではないかと思うのです。
ただ前回書いたように、ドラミングの息遣いは当然歌のブレスのポイントとは違います。
歌のブレスのポイントはメロディーの構造や歌詞の切れ目などで決まるのではないかと思いますが、
ドラムの場合はざっくりと「Aメロ、Bメロ、サビなどの頭」程度に考えておけばいいと思います。
ただドラミングに関しては歌のようにワーッと息を吐くわけではなく、うなるように少しすづ小出しに吐くので、
「ブレス」のポイントは歌ほどきっちり考えなくてもいいかもしれません。
イメージとしては呼吸が体内を循環している基本の状態が常に作り出せている状態…つまり呼吸が滞らずに身体が硬直していない状態がキープできていれば大丈夫かと思いますね。
そしてもう一つ、ドラミングへの呼吸の応用として、「アクセント」の部分、つまり曲の頭とか締めとか、シンバルで「バシャーン!」としたい場合ですね。
この部分は当然強く息を吐いているわけですが、これは歌でいうとどの部分にあてはまるのでしょう?
それは曲中で「声を張り上げるところ」だと思います。
ちょっと歌の話になりますが、カラオケで「キー」を決めるときに、頑張れば歌えるからと言って、自分の音域のギリギリに設定をすると、歌うほうも聴く方も双方ともにとても聴き苦しい歌になってしまいます。
これは「常に声を張り上げて歌っている」ような状態になるからでして、ちょっと低めに設定して声を張る部分とそうでない部分を作ったほうが、メリハリが聴いて聴きやすい歌になるのではないかと思います。
(ちなみに声を張る部分のピッチは割かし合わせやすいのですが、声を張らない部分…具体的にはAメロやBメロの出だしなどは結構難しいので、歌い手としては腕の見せ所になるわけです)
それなので曲中で声を張り上げるところは、ブレスのポイントで吸い込んだ息を多く吐くポイントになるわけです。
ただし声を張り上げた後も歌が続く場合、つまり次のブレスのポイントまでまだ歌わないといけない場合は、吸い込んだ息が切れないようにちょっとだけ残しておく場合があります。
というわけで、歌のブレスを学ぶとドラミングに大いに転用ができることが分かっていただけたかと思います。
更にこの続きの話として、ドラミングの呼吸に関していろんなジャンル別の呼吸の取り方がありますので、次回はそこにフォーカスをあててみましょう。
ではでは。