ドラミングにおける「指」の役割を理解すると演奏の表現力が上がる?
今回はドラム奏法のお話。テーマは指。弦楽器や鍵盤は当然指ありきの楽器ですが、ドラムに関しても指の使い方はかなり大切。では早速本題に。
人間には5本指がありますが、大きく分けると3グループに分類されます。(左右の手は今回は分けません。書き出すと内容がとっちらかるので…)ではそれぞれ解説します。
①中指と親指:
極端に言うとこれはスティックが下に落ちないための支えの様なもの(当然支えなければスティックは重力で下に落ちますので)。もう少し理屈っぽく言うと「テコの原理」でいうところの支点に「近い」でしょうか。
ここであえて「近い」と書いたのは、シーソーの様な支点、つまり平面的な上下運動の支点とは少し違っていて、スティックはもっと3次元的・立体的な運動をするからですね。
②薬指と小指:
薬指と小指は、かの極真空手の創始者の大山倍達氏も言っているように、力の源とも呼べます。(ちなみにこの本、面白いです)
そしてドラムスティックを扱うときは、スティックの持ちて(スティックのおしり側)のストッパー的な役割が大きいです。
木刀や竹刀は振り下ろすときに両脇を閉めてキュッと握りこむように打つとされるようですが、割とそれに近い感じかと。
なので、ここ一番の「バシッ」という音をドラムで出したいときはキュッと絞り込むと良いですね(ただし握りこむのとは違います。)
③人差し指:
これは音の立ち上がりの役割を担っています。シンセの音色のパラメータでいえば「アタック」に近いです。
モーラー奏法の要素が強いドラマーだとアクセントの時に人差し指を張り気味にしているのがわかります(1:00あたりから)。つまり人差し指を張ることでアクセントがつけられるということですね。
www.youtube.comただ私の経験でいうと、これもケースバイケースでして、この手の様な重たいスネアをバシバシ叩く系の曲ではあまり人差し指を張ると指を痛めるので…握りこまずに、スティックの先端が暴れない程度に制御しておけばいいかなと。
www.youtube.com「じゃぁどんな時に人差し指が活躍するのか?」ということですが、そこまで爆音を出さなくてよくて、かつカッチリしたリズムが必要な時に、「ピシッ」という立ち上がりの早いドラムの音にしないとリズム全体がもっさりとしてしまいます。
で、参考動画はやっぱりこれ。ポーカロの技がすごすぎてとうてい常人にはまねできないですが…人差し指がよく見える非常に貴重な動画。
要は先ほどのメタリカとこのポーカロ、どちらが上手いかとか凄いかとかではなく表現の違いであり、
メタリカの方は、「ドォーンーダァーン―ドドダァーン」みたいな演奏であり、ポーカロの方は「ド・チ・タ・チ・ド・チ・タ・チ」みたいな。
前もどっかの記事で書きましたが、ドラムは棒で物を叩くという非常にシンプルに「見える」楽器なので、表現に関しても気合でできるような(要は念じればできる、みたいな)気がしてしまうかもしれませんが、自分がやりたい表現するには方法論が存在しており、今回の指の話なんかもその一つといえるのではないでしょうか。
というわけで、ドラマーの方は指はくれぐれも大切に笑
ではでは。