「ライブ本番にどうしてもハシってしまう…」とお悩みのドラマーに向けて
今回もドラムのお話。テーマは「ライブ本番にどうしてもハシってしまう…」というお悩みを持っているドラマーに向けて。
ここでいう「ハシる」とは、通常のテンポよりも速いテンポで叩いてしまうことを指します。つまりライブ中は楽しく演奏していても、後からその演奏を録音したものを聴くと…「え、こんなにハシってたの!?」と愕然とする経験をしたドラマーは少なからずいるのではないかと思いまして。
というわけで今回は「本番で走らなくするにはどうすればよいのか?」をテーマに考えていきたいと思います。それでは参りましょう
「ハシる」とはどういうことか?
これは改めて詳しく言うと、リハーサルでは原曲通りのテンポで叩けているのに、ライブではなぜかそのテンポよりも速くなってしまうことを指します。
このブログでも過去に書いていますが、「ライブ本番」は日常空間とまるで違う「異世界」なのでどうしても気持ちが高ぶって、アドレナリンが大放出して「普通のテンポ」で叩いているつもりでも、後から録音した演奏を聴くと…「速くなっていた」という結末が起こるわけです。
そもそもなぜハシってはいけないのか?
これは他のパートに迷惑がかかるからです笑。歌ももちろんですが、ギターやベースも各々の「息づかい」で演奏しているので、テンポがいきなり上がるとその息づかいのペースを乱されてしまうのです。
ましてやギリギリのテンポでギターやキーボードが速弾きしているところなどはテンポが少し上がっただけでもフレーズが崩壊してしまうかもしれません。
歌に関していえばテンポがあがると「ブレス」の位置が乱されてしまい、気持ちが乗った歌が歌えないということもあるかと。
対策その①:メトロノームを「見る」
ここまでを踏まえて対処療法的な解決策として、「見えるメトロノームを使う」という方法が考えられます。
まぁこれで解決すれば問題はないのですが、折角なのでもうちょっと理屈的なところに突っ込んでみましょう(私はこれ試したことが無いのでなんともいえませんし)。
ということことで…次節に進みます。
なぜ本番でハシるのか?
この辺から各論に入っていきますが。これはメロディーを「アナログ」、リズムを「デジタル」的にとらえていることが原因なのではないかと。
これだけだと抽象的なのでもう少し詳しく説明しますと、バンドスコアなどのドラムパートの「書き譜」は例えば「ハイハットを叩いた/ハイハットを叩いていない」というON/OFFの「デジタル的」な情報しか書いてありません。
ただし、本当はドラムパートもメロディーと同等な音の長さ、休符の取り方、音色のコントロール等の「アナログ的な情報」があるのです。
つまり何が言いたいかというと、リズムをON/OFFだけのデジタル情報として認識して演奏していると、「自分が走っていること」について、ライブ本番の様なアドレナリンが出まくっている状態だと気が付きにくいということですね。
これが例えば歌だったら、オケのテンポが上がったら、「あ、今自分が早口で歌ってるな」と気が付きやすいと思うのです。これはメロディーにはON/OFF以外のいろんな「アナログ的な情報の」要素が見えやすいからなんですね
対策その②:叩きながら歌う
というわけで、少々抽象的な話になりましたが、では具体的にどうすればいいか?ということですね。
これは至ってシンプルで、「ドラムを叩きながら歌ってみる」ということです。何を歌うのか?ということですが、歌ものなら、歌メロ。インストなら目立つメロディとか、リフとか。です。
ここでいう「歌う」とは「歌詞を全暗記する」とか「ラララ…でメロをキッチリ歌う」とかではなく、なんとなく曖昧でいいんです(別にボーカルをするのではないので)。
これを実践することでドラムという、ともするとON/OFFの情報だけになりがちな、「デジタル」的なパートにメロディーという「アナログ」的な要素が加わるので、ライブ本番でもテンポがそんなに走らなくてキープできるのではないかと思うのです。
おわりに
というわけで今回の要点は、ドラマーは音楽の中の「アナログ」と「デジタル」要素の橋渡しをしなければいけないということですね。
まぁ…テーマが壮大過ぎて上手く書ききれた感じがしないので笑、また機会があったら書いていきたいと思います。
ではでは。