「エゴグラム」という性格診断はバンドの人間関係にも活かせるのか…?

目次
はじめに
今回はドラムの話…というよりもバンドをやっている人に向けてのお話。
趣味でやっている人ももれなくバンドは「人間関係の塊」でありますが、割と音楽をやる人って、芸術肌のためか「人間関係」に関しては無頓着な人もいるかもしれません。
しかし「一人では音楽を成立させること」がなかなか難しい「ドラム」というパートを選んでしまった、ドラマー諸氏の方はいくら「人間関係に興味がない」と声高に主張しても、一人で音楽ができないのです。(これがギターと歌ができる人なら「じゃぁ弾き語りでいいや」みたいにシフトできるのですが)
なので、集団で音楽をやる時に常につきまとうのが「意思決定」です。これはつまり船の舵のようなものなので、ここを見誤ると、だんだんバンドがギクシャクして解散してしまいます。
つまり、集団で音楽を作る人は自己理解はもちろん他人もよく理解しないといけないわけなのですね。そんな時に便利なのが心理学。
心理学は残念ながら「相手の思っていることを当てる学問」というイメージを持たれていますが、「この人は〇〇な人かな?」みたいに、他人を理解するのにはとても便利な学問です。
そこで今回は、バンドという人間関係を維持していく上でお役にたつものをご紹介します。では本題に。
「エゴグラム」という性格診断
今回は「エゴグラム」という性格診断法をご紹介します。
これは心理学をかじった人なら「知る人ぞ知る」ものですが、一般の認知度は低いようです(こういうものが非常に多い)。
とりあえずリンクを貼っておくので気になった方はすぐにやってみることができます。で、このテストでは人間の心の状態を5つに分けて結果が出てきます。それは以下の通り。
①CP:恐いお父さん
権威的で批判的な性格。まさに昭和の頑固親父的な性格です
②NP:優しいお母さん
人や動物の世話好きで優しいお母さんのような性格。対人援助職に多そう
③A:理性的な大人
いわゆる世間でいう「まっとうな社会人」みたいな、ちゃんとした大人の性格
④FC:やんちゃな子供
フリーダムかつ自由奔放な子供の性格
⑤AC:いい子ちゃん
他人のいうことをよく聞いて、自分を抑えて周りに合わせてしまう「いい子ちゃん」
…以上の5タイプとなります。
実際にやってみるとわかりますがこれらが、一人の人間の中で「高い、低い」で結果として出てきます(より詳しく知りたい方はリンクを貼っておきます)。
理想は「5つ数値が全部高い」ことが良いとされるようです(逆に、全部の数値が低い人はエネルギーが不足しているのだとか)。いくつかの定型パターンもあるので、興味がある人は調べてみると理解が深まります。
試しに、いろんな著名なバンドのメンバーに妄想で当てはめてみると、「なるほど…うまくバランス取れてたんだな」ということがわかります笑。
バンドへの活かし方
というわけなのですが、このテストを「バンドメンバーにやらせよう!」とか、そいうことを言いたいわけではありません笑。
私もたくさんバンドをしてきましたが、おそらくバンドをやるような人は「FC」はそれなりに高いでしょう。また「A」が高い人が一人はいないとバンドは回っていきません。
そこまでは良いんですけど、問題は「CP」が高い人がいなくて「AC」が高い人だらけのバンドはちょっと不安定要素があるかも、ということです。
音楽に限らずですが、脳科学的に言えば物事って繰り返し触れれば触れるほど「客観的に見る」ことが難しくなります。これは「脳」というものは省エネを好むので「一度感覚として感じたものは、二度目以降は端折って感じる」ようになっているからですね。
なので、バンドで音楽をやっていても「なんとなく」「これで良いかな」ということが知らず知らずに起きている可能性があります。
そんな時に「AC」が高い人達だけだと「客観的に意見する人」がいないわけなので、このまま惰性で進んでしまうことがあります。これは過去記事にも書いた「集団極性化」という現象でも説明できます。
なので実際にどうするか?ということですが。
「メンバーが「CP」の役割を担う」のか「CPの役割を担ってくれるメンバー以外の人間を持つ」のかをしないといけないということなのです。
終わりに
これはあくまでも一例でしたが、このエゴグラムはさすが心理学の古典だけあって意外と当たるのではないかと思います。
もちろん心理テストはめちゃくちゃたくさんあるので、これだけを鵜呑みにするのはどうかと思いますが、自分を含め、他人を理解するツールとしてはとても便利かなと。
特にドラマーは「一人では音楽ができない」ことを肝に銘じないといけませんね…。ではでは。