一回覚えた曲を忘れないために…ドラマーも「精緻化リハーサル」を活用しよう!

目次
はじめに
今回はドラムの話。テーマは「リハーサル」。
といっても今回のリハーサルは本番前のリハーサルではなくて、心理学用語の「リハーサル」、つまり記憶のメカニズムのお話のことです。
ただイタズラに小難しい話をしようとしているわけではなく、楽器演奏者あるあるとして「ライブ直前はバッチリだったのに…少し期間が空くと曲を忘れてしまう!」という時のちょっとしたヒントになればと思います。では本題に。
「維持リハーサル」と「精緻化リハーサル」とは?
記憶の段階には、「ちょっとだけ覚えているもの」から「半永久的に覚えているもの」までいくつか段階があります。
めちゃくちゃ極端な例としては、自分の生年月日や家族の名前などは半永久的に覚えている部類に入るでしょう。
一方で、学生時代の定期テストや資格試験などで、「今やっていることをどうやったら試験まで忘れないか…」と試行錯誤、つまり「何が何でもこれを覚えないといけない!」と苦労したこともあるかもしれません。
そんな時の記憶の定着させ方として2種類あるので、ご紹介します。
①維持リハーサル
これは愚直にひたすら繰り返して覚えるやり方。勉強で言えば、ひたすら英単語を書いて覚える方法です。ドラムでいえば千本ノックのように、覚えなければいけない曲に合わせて繰り返し叩くのがこれにあたるでしょう。
②精緻化リハーサル
これは覚えるべきことの意味を考えて覚える方法。勉強でいえば年号を1192(良い国)と語呂合わせして覚えたり、whichという英単語を「ウィッチ→どっち」というように意味付けて覚える方法です。
…そしてここでこの精緻化リハーサルを「ドラマー的にはどう活用できるか?」というところが今回の本題になります。
ドラマーは曲を覚える時二つのことをしている!
ここまで読んでいただいてわかるように、通常は曲はひたすら反復練習をして覚えるやり方が一般的だと思います。
ただドラムは音階のない打楽器なので…ドラマーが曲を覚えるのって2段階あるわけです。つまり、
①曲そのものを覚える段階
②ドラムパートを覚える段階
そして、②のドラムパートを覚える段階は維持リハーサルをひたすらに繰り返して覚えるわけですが、ドラムはギターや鍵盤と違って、曲自体を覚えながら自分の楽器のパートを覚えるということがやりにくいわけなのですね。
ただ逆にいえは①の、「曲そのものを覚える段階」が得意になれば、ドラムは音階がないゆえに曲を短期間でたくさん覚えられるわけですね。
精緻化リハーサルで曲を覚えるには!?
そこでおススメしたいのが「精緻化リハーサルを使って曲を覚える」という考え方。もちろん「そんな屁理屈いってないで曲なんてフィーリングで覚えるんだよ!」という方はそれでいいんですけど。
曲を意味付けて覚えると、結構経っても忘れないというメリットはあります。また少し忘れてもすぐに思い出せるということもあります。
そしてこの方法は何かというと…コード進行で曲を覚えるということです。
コード進行はその曲の骨組みであり、そしてその曲がどんな起伏や展開で進んでいくかを記述しているもの。
さらに、歌物であればジャズやインストと違い、ある程度いくつかのパターンに当てはめることができるので、「あの曲は〇〇と〇〇のパターンの組み合わせで…」というように覚えておくこともできます。
ギターや鍵盤をたしなんでいるドラマーはコード弾きができるくらい覚えていると、結構記憶に定着しますし、他の楽器ができないドラマーでもコードで覚えることはできます。(要はコード進行ってザックリとしたメロディーみたいなものだし作曲の言語であるので、英語を覚えるような感じでしょうか)
ちなみに今回の記事は概要のみのお話なので、具体的な方法は過去記事のドラマーの曲の覚え方の記事をご覧ください…。だいぶ前に書いたので一度改めてリライトしようとは思っているのですが。
終わりに
というわけで今回の内容をザックリとまとめると、「せっかく一度覚えた曲を忘れないためには、その曲のコード進行を覚えておくといいですよ!」というお話。
ドラム以外の楽器ができなくてもコード進行は理解することができるので是非ご参考に。
ではでは。