【書評】「現実は厳しい でも幸せにはなれる」【アルバート・エリス著】

はじめに
今回は書評です。こちら「現実は厳しい でも幸せにはなれる」です。
著者は心理学の教科書には必ずでてくる「レジェンド」でもあるアルバート・エリスです。
アルバート・エリスは「ABC理論」という思考の転換法を生み出した人です。
なのでこの本も「自分のこの思考法を変えたい」と考えている人にはオススメかなと。
世の中には自己啓発本なるジャンルがありますが、こういった本のネタ元は心理学の専門書だったり論文だったりすることが多いです。
要はそういったものを一般向けにわかりやすくアレンジしているのですね。
ただときどき「どれもこれも似たようなことがかいてあってつまらないな」なんて思ったことはないでしょうか。
とはいえ専門書は、謎な用語が多すぎて一般の人には読むのはハード。
その点この本はちょっと読み応えはありますが、専門用語は少なめなので専門書ほどは難解でもなく一般の人でも読み進めることができます。
というわけで、本書の中のメインというか、オススメな部分をご紹介。
考え方の5段階
本書のメインの内容の「ABC理論」というのは、細かくいうと「ABCDE」の五段階にわかれます。
それぞれのアルファベットは頭文字になるのですが、その説明は割愛します。非常にざっくり書くとこんな感じです。
A→嫌な出来事
B→自分の信念(ビリーフ)
C→いやな気持ち
D→「B」に対する反論
E→いい気分
例えば、こんな感じです。
A「人から責められた」という出来事
B「人から嫌われてはいけない」という思い込み
C「憂鬱・落ち込み」になる
D「全員から好かれるのは不可能なんじゃないか?」と自分に反論する
E「気にしなくなる」というハッピーな結果
私たちが嫌な出来事にたいして嫌な気分で終わる時って、A→B→Cで終わってしまう時なんですね。
ここで終わらずに「D」をすることで、「E」という結果にまでいくことができるということなんですね
ついつい持ってる「ビリーフ」
ここまでの内容だと「こんなこと誰でも日頃自然とやってることなんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、一見シンプルなことにこそ物事の本質が隠れていたりします。
ここで大事なのは「B」と「E」だと思います。まず「B」について。
これは「ビリーフ」と呼ばれたり「合理的ではない信念」と呼ばれたりします。本書の内容も引用しつつ例を挙げてみるとこんなやつ。
・みんなに好かれないといけない
・他人から嫌われてはいけない
・周りの人は敵だらけ(もしくはみんないい人)
・もっと自分の気持ちは汲み取られるべきだ
・〇〇ができないと自分は価値のない人間だ
・いいことをしたらお礼をいわれるべきだ
・人生で成功しないといけない
全体的に見てみると「〜するべきだ」みたいな価値観ですね。でも「別にそんなことないけど?」と思うかもしれません。
しかしこれらが無意識の部分にあったりすると、知らず知らずに「C」の気持ちになってしまうんですね。
なので「D」することがが有効なのです。
「ビリーフ」を「反論」しよう
そして実際の「D」の方法ですが、結構大胆かつ極端に行うといいようです。
例えば「最悪の事態が起きても死ぬわけじゃないし」みたいな。
ちょっと前に「死ぬこと以外かすり傷」という本もありましたが、そんな感じなのかもしれないですね。
この「B」に対する「D」の反論って、他人から言われると「自分の気持ちをわかってくれない!」となったりします。
でも自分でやる、つまり「ひとりボケツッコミ」みたいにやると「A」の出来事で狭まっている「自分のものの見方」がひろがるかもしれません。
おわりに
というわけで今回はこちらの書評でした。
本記事でご紹介したのはほんのさわり程度なので、本書の実例をたくさん見ると具体的にイメージできると思います。
読み応えはありますが「なるほど!」と思う部分もあるので興味ある方は読んでみるといいかなと。
ではでは。