ドラムを叩くミニマリストのドラムレッスン

ミニマリストなドラム講師によるドラム論と音楽論。ときどきミニマリズムの話。

ドラム 音楽理論 音楽評

いわゆる「難曲」を分析してみました~ジェントメタルの恐ろしさ~

投稿日:2017年6月15日 更新日:

少し前の記事でこの曲をコピーすることになったことを言いましたが。

www.youtube.com

今回は難しい曲を演奏することに生き甲斐を感じるというストイックな方に向けてお届けします…。

というわけでこの曲はカナダのプログレッシヴ・メタルバンドのIntervalsの「Mata Hari」という曲らしいです。私もそれなりに長年の楽器歴のなかで変拍子の曲を聴いて、そして叩いてきたという自負がありましたが、それか一瞬で吹き飛ぶ感じでした。

とはいえ「無理!!」と投げ出すわけにもいかないので、幸いにもギタータブ譜面が見つかったのでこれを頼りに少しずつリズムの構造を解析していきました。

そして驚いたとうか…新鮮な感覚だったのが、パッと聴き何拍子かさっぱりわからなかったこの曲、実は(譜面上は)ほぼ4拍子でした。

つまり人がリズムを聴いて変拍子と認識できるというか、認識しやすいのは、最低でも同じ拍数(つまりリズムパターン)が2回繰り返されないと難しいということですね。

例えば7拍子なら、1234567・1234567と2回繰り返されて、
「あ、これは7拍子か」
と認識するわけですね。この理屈でいえばどんな鬼畜な変拍子(例えば19/16拍子)でも数えれば追うことはできるわけです。

そして私が思うに、初めて聞いて全く拍子が追えなかったこの曲の作曲者の意図は恐らく4拍子をベースとした上に絶え間なく変動する変拍子をひたすら盛り込むことだったのかと推測されました。

というわけで変拍子と捉えて解釈するには譜面が大変なことになり譜面に起こす意味がなくなるので、叩く方としても4拍子でリズムをとった方がいいと思います。

とはいえ、テンポがBPM200超えの速さなのでボーっとしてるとあっと言う間に曲が過ぎ去ります。
そこで役立つのが…私が常々強調してる「パルス」です。

(そういえばこの言葉、「お腹のメトロノーム」といわれたりもしますね)

つまりこの曲を叩くには、フレーズとしては小節線があって無きがごとしの変拍子の洪水が押し寄せるので…それを聴きながら自分の中に1234・1234という4拍子でカウントできるようにしておくといいのではと思うのです。

まぁこのことをポリリズムという言葉で説明もできますが、ポリリズムは2つの異なる(一定の)拍子を同時に演奏することも指すので、この曲はポリリズムの中でも難易度は高いかなと。

【スポンサーリンク】

 

次に曲の構成ですが。とりあえず私なりに各セクションに名前を付けてみました。

・0:00~Aパート:4拍子を中心としたリフ。裏拍のリフに一瞬拍を見失いますが目だったポリリズムはないのでとっつきやすいでしょう。

・0:39~Bパート:出だしからポリリズムの応酬ですが、ここは4拍子で叩くのがいいでしょう。5小節目からは変拍子として理解しても叩ける部分だと思います。試しに5小節目の3拍目から拍子を書き出してみると、

14/8→10/8→9/8→11/8→12/8→4/8→4/4が4小節

うーん、そうはいってもカオスですね笑。この部分はフレーズで覚えた方がいいと思います。

・0:55~Cパート:サビと思しきところ。4拍子のみなのでここで箸休め

・1:28~Dパート:ここもBパートと同じで4拍子で叩くのが良いでしょう。

・1:45~A´パート:Aパートの変則型。ここもポリリズムはさほどありません。

・2:03~Eパート:12/8と10/8拍子を交互に繰り替えすポリリズムパート。左足でハイハットペダルで4拍子をとっていると意外といけます。

・2:41~Fパート:この曲の最難関パート。7小節目からは5音のリフが3回繰り返された後に8分音符が一つ加わり6音のリフになるというカオスっぷり。その間に3/8のポリリズムが入り込んできます。ここは変拍子で採譜することはあまり意味が無いように思います。ひたすら歌えるまで暗記して、左足のハイハットペダルで4拍子をとりながら叩けるようになるまで反復練習でしょうか。

そしてこのあとはBパート→Cパート(2回)→Dパートを繰り返して終わりになります。

というわけで今回は一体果たして誰のための記事なのか…と自問自答して書きましたが。まぁコピーしないにせよ作曲をする際のヒントはいろいろもらえる曲なのではないかと思います。

ではでは。

スポンサードリンク




スポンサードリンク




-ドラム, 音楽理論, 音楽評

執筆者:

関連記事

「スタジオラグへおこしやす」ブログ更新情報~「脱力」したドラミングには身体の「張り」を使おう~

さて今回もこちらに寄稿させて頂きました(先月の記事が月間PVの上位に入ることができ、感謝です)。 www.studiorag.com 今までは「セッティング」と「リズム」のみに焦点を絞って書いていまし …

ミュージシャンに必要な「直観力」とは?

今回は半分書評・半分音楽のお話です。 最近タイトルに魅かれてこの本(「直観力」メンタリストDaiGo・著)を読んだのですが。本文中に「ギタリストが良い音をだせるのはこれまでの経験の積み重ねで」という一 …

どうすれば難解で複雑で攻撃的な曲が作れるのか?

最近ミニマリスト話が多い気がしたので今回は音楽概論的なお話。 今回の記事のネタのきっかけは…ミニマリスト界隈ではおなじみpha氏(知らない人はこちらをどうぞ)のブログ。 pha.hateblo.jp …

ドラミングとウィルパワーの関係とは?~セッティングは疲れのもと?~

今回もドラムの話を。ただ割かし抽象的な話ではありますが。 まず今回の題材の本からご紹介。 メンタリストDaiGo氏の2016年の著作「自分を操る超集中力」です。 この中の前半部のキーワードに「ウィルパ …

ドラムで大きい音を出したいときは…上半身全体の動きを意識してみよう

はじめに 今回もドラムの話。テーマは「ドラムで大きい音を出すには?」です。この話についてはいろいろな切り口があるので、今回はわりと抽象的なお話と、実用的な練習方法をひとつご紹介したいと思います。 ちな …