ドラムを叩くミニマリストのドラムレッスン

ミニマリストなドラム講師によるドラム論と音楽論。ときどきミニマリズムの話。

音楽理論 音楽評

どうすれば難解で複雑で攻撃的な曲が作れるのか?

投稿日:2017年8月22日 更新日:

最近ミニマリスト話が多い気がしたので今回は音楽概論的なお話。

今回の記事のネタのきっかけは…ミニマリスト界隈ではおなじみpha氏(知らない人はこちらをどうぞ)のブログ。

pha.hateblo.jp

ここで紹介されていたNUITOというバンド。どうやら変拍子ゴリゴリの複雑な曲をやっているというので聴いてみました。

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…だいぶ好みです。そして私が一時期、一人多重録音にはまっていた時に考えていた「音楽を壊したい」「誰も聴いたことがない音楽を作りたい」という、今思うと青臭い衝動を思い出してふと懐かしくなったので記事にしてみようかと。なので今回はさして読書の方にとっての有益な情報はないかもしれません笑。

というわけで今回のテーマは「音楽を壊す」すなわち「難解で複雑で攻撃的で、誰も聴いたことが無い曲」をどうすれば作れるか?ということなんですけど。まず考えたことは以下の通り。

■やたらと速ければいいのか?

■ツーバスのドラムだらけにすればいいのか?

■やたらと歪んだギターが入っていればいいのか?

■不協和音のコードを沢山使えばいいのか?

…などなど。私は絵をかくのが好きで(完全に素人ですが)、同様の試みをするのですが、絵ってどうやって崩して描いてもある程度まともになっちゃうというか、まとまってしまうんですね。なので音楽も同様に、崩そうとして作ってもどうしてもまともになってしまうのです。

というわけで、いろんな試みをしつつ、現存のジャンルから何かヒントを得れないかも模索しました。しかしデスメタル系の音楽も攻撃的ながら音楽としての形態はちゃんとあるように思えました。

次にフリージャズやクラシックの現代音楽などがありますが、これらは調整が無いものが多く、「調性やリズムは形を残したまま」でいかに音楽を壊して新しいタイプの音楽が作れるか…という試みとは合致せず。

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まぁでも調整の破壊は興味があったので…まずは見よう見まねで覚えたクラシックの12音音列の作曲技法を使って曲を作ると、聴いた人にはどうにもみんな、

「ホラー映画のBGM」とこぞって言われる始末(これのことをシミラリティと言うそうですが)。なのでこれはやめてキーを混ぜ合わせる複調音楽に手を出すと…これはなかなかいけそうだと。ちなみに複調音楽についてはこちらをどうぞ。

後はモード、つまりスケール(音階)で無機質なもの。これは結構お勧め。例えば以下のようなスケールです。詳しく書くと話がそれるので今回は紹介のみ。

■ホールトーンスケール

■コンディミニッシュスケール

■リディアンスケール

■ロクリアンスケール

次に調性をもっとぶっ飛ばしてノイズを中心とした音楽を作りましたが、これは効果音の印象が強く音楽を壊している感じにはなりませんでした(これはミュージックコンクレートというジャンルになります)。

次にリズム。メタル系の速いリズムは逆に整然とするし、スピードコアなる非常に速い音楽もありますが、これも私の作りたいイメージではありませんでした。

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次は変拍子。変な変拍子(例えば21/16拍子)とかも、繰り返し演奏すると、人間は「まとまり(音のゲシュタルト)」として認識してしまうのでこれも違うと。しかしいろいろやっているうちに、頻繁に(小節単位で)拍子を変えるとだいぶ壊れた感じになるということを発見しました。

というわけでいろいろ書き連ねましたが、ようは何が言いたいかというと、

「複調や無機的なスケール、そして目まぐるしく変わる変拍子」

このへんがどうやら「難解で複雑で攻撃的な」曲のテイストなのではないか?

というとこで落ち着きました(落ち着いたとたんに作るのやめちゃったんですけど笑)

で、最初の話に戻りますが

「調性やリズムが形をなしたままでものすごく複雑に展開する曲」が好きなのです。そしてそんな曲に出会うとそれらの曲の構造を分析したくなってしまうのです。

つまり、右脳&左脳でいえば音楽は右脳で味わう最たるものでしょうが、このようにして左脳で鑑賞するのも楽しみ方の1つとしてはありかと思いまして。

なので最後にもう1つ紹介しましょう。日本のプログレ界では知る人ぞ知る、RUINS(ルインズ)です。

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ドラム&ボーカルとベースという異色の2人編成ですが、曲のこの感じ、決して無調音楽でもリズムがフリーなわけでもないのにこの複雑さ。こんな音をこれからも探して行きたいものです。

ではでは。

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