ドラムを叩くミニマリストのドラムレッスン

ミニマリストなドラム講師によるドラム論と音楽論。ときどきミニマリズムの話。

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「ハマる」演奏の正体は…能の言葉である「離見の見(りけんのけん)」にあった?

投稿日:2018年1月22日 更新日:

今回は久々ドラムの話…ではあるのですが少々マニアックな話ですいません。テーマは「ドラマーが持つべき離見の見(りけんのけん)」のについて。

これだけだと何のことやら?なんですけど、要はこれはライブやリハーサルなど演奏が「はまる」瞬間ってあると思うんですけど、そのときドラマーに何が起きているか?ということであり、その時のドラマーの視点はこの「離見の見」に近づいているのではないかと思いまして。

なので今回はその演奏が「はまる」メカニズムについて考えていきたいと思います。

離見の見(りけんのけん)とは?

今回の記事のきっかけは、さっき見ていたこちらの動画の中の一節に出てきた話だったんですけど、

www.youtube.com

ついでにちょっとこちらのサイトも参照しつつ話を進めます。

db2.the-noh.com

「離見の見」とは能の言葉らしく(以下引用)、

 演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自身の演技を見る意識のこと。反対に、自己中心的な狭い見方は「我見(がけん)」といい、これによって自己満足に陥ることを厳しく戒めている。現在でも全ての演技にあてはまることとして演者に強く意識されている。

ということらしいです。

もう少し説明を加えると…演奏しているときって、自分目線(我見)、相手にどう聞こえているか気にする気持ち(離見)、バンド全体を俯瞰してみたときどう見えているか、どう聴こえているかを感じること(離見の見)の3つの「目」のことかと。

特にバンド全体を見渡すべきドラマーにはこの3つの「目」が必要なんですけど、これがなかなか逆説的でありまして、離見の見ができているときにこそ「はまる」演奏になっているということなんですね。

ただ人間の注意資源と言いますか、意識を向ける先はそんなにたくさんは持てないので、「離見の見」状態で演奏全体を見れているときって、自分の演奏にはそんなに注意が行っていないんです。

極端に言うと自動運転みたいにドラムが叩けている状態だと思います。そして不思議なことにこの状態の時にはミスが起きません(もちろん事前にちゃんと練習してる前提ですが笑)

なのでミュージシャンはみんなこの「離見の見」的な瞬間があるからライブが病みつきになるんだろうなと思ったりします。

だから究極的にいえば「なんで音楽やってるの?」という質問に対しては「楽器が好き」とか「人に喜んで欲しい」とかを超越してこれを体験できたときの恍惚感みたいなものがモチベーションであるんでしょうね。

まぁもとともと音楽は宗教的な行事からきてますから納得できますが。

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超越的0人称とは?

さてここからはこの「離見の見」状態に近づくためにどうするか?ということを考えていきます。

なんか抽象的な話が続いて恐縮ですが、ここでもう一つこちらの本も紹介します。

この本は要約すると「私たちはどう生きるのか」という話を軸に実存主義的な話が展開されていますが、その中の一節に「超越的0人称」というフレーズがでてきます。

ちょっと引用すると、

「本当の自分」になる経験が起こると、必ずや一定期間の後に「自分」への執着が消えるという新たな段階に入っていきます

とあります。つまり先ほどの「離見の見」の状態って自分への執着が消えている(自分に意識が向かなくなる)状態に近いのではないかと思うわけです。

それにはまず「本当の自分」になる経験をするというわけなのですが、まぁ要するにある程度は自分のイメージを表現できるくらいまでは楽器を練習しましょうってことなのかなと思いまして。

そうすると、あるていど自分の演奏に没頭できるくらいの段階に入ってくると少しづつ余裕ができてきてバンドの演奏が俯瞰出来て、「離見の見」の状態に入れるのではないかということですね。

おわりに

まぁ要するに「真面目に練習していくとそのうち気持ちいい体験ができるよ!」ということなんですけど笑

今回はだいぶ抽象的な話になったので、また折に触れこのテーマは書いていきたいと思います。

ではでは。

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