ドラムのフィルインが覚えられない時は心理学の「チャンキング」というテクニックを使ってみよう

はじめに
今回はドラムのお話。テーマは「フィルインのコツ」なんですけど、その中でも「頭の中でのカウント」について。
例えばこんな感じのシングルストロークで、16回「トコトコトコ…」と叩くみたいなフレーズがあったとします。
フィルインだけ練習するのも良いですがリズムとの切り替えをスムーズにする練習もあわせてやるのがオススメです。#ドラム #ドラムレッスン #フィルイン pic.twitter.com/QzY55nGaP6
— Hazime (@kah35sx) January 13, 2021
その時にこの動画くらいのそれなりに速いテンポだと慣れてないと途中で手がもつれたり、叩く回数が分からなくなったりということがドラム歴が浅いときには起こり得ます。
そんな時の解決方法についてお伝えしたいと思います。
なので今回は「曲中でフィルインを叩くときに回数がわからなくなる」という方のご参考になればと。
では本題に。
結論→チャンキングを使う
今回の結論は数える時にチャンキングを使うということ。
チャンキングという言葉自体があまり聞き慣れない言葉なんですけど、これは心理学の用語ですね。
心理学では「人間がどのように情報を処理するか?」ということも
一つの大きなテーマでして、このチャンキングについてはNLPと呼ばれる心理学の分野でよく出てくる言葉です。
今回のテーマに沿ってザックリいうと「情報を大きくまとめる力」でしょうか。
過去記事には「ドラムの上達の過程では自然とこのチャンキングの力が身についてくる」みたいなお話を書きました。
今回の記事も似たようなことなんですけど、「フィルイン」というテーマに絞って書いてみたいと思います。
なぜフィルインがたたけないのか?
では最初に「なぜフィルが叩けないのか?」ということについて考えてみます。
この答えとしては「情報量が多いから」ということです。
もちろん、身体の使い方が追いつかないからということもあります。
ただ「情報量が多いから叩けない」というのは「頭の使い方」の方なんです。
ドラムを習い始めの頃は、基礎練習と簡単なリズム練習をやったりしますが。
次第に、実際の曲に合わせて練習することもでてくるかと。
そのときに「8小節目でスネアを16回叩く」みたいなフィルがあったとします。
このときにこのチャンキングができていないと「1.2.3.4.5.6.7.8.…」と全部のスネアを頭の中で数えることになります。
しかしこれだと当然頭が追いつかない。
そこでこのチャンキングが必要になってくるわけです。
チャンクアップとチャンクダウン
詳しいやり方に入る前にチャンキングは2種類からなるという前提をお話し。
これは以前の記事でも同じ事を書いていますがわかりやすいのが歴史の語呂合わせ。
ご存知、鎌倉幕府の設立は1192年と習いますが、これを「いい国」と語呂合わせして1つの固まりにしてしまう事をチャンク「アップ」といいまして。
逆に「1」「1」「9」「2」と4つの固まりにしてしまう事を「チャンクダウン」と言います。
これはあくまでも一例で、他にも「抽象的に考える事」をチャンックアップ、「具体的に考える事」をチャンクダウンと言ったりもします。
この辺のお話に興味がある方は、前田裕二さんのベストセラー「メモの魔力」の書評記事を以前に書いているのでそちらもあわせてどうぞ。
ドラムのフィルインにチャンキングを使ってみる
さてここからが具体的な方法。
例えばスネアドラムを16回叩くフィルインがあったとします。
ここで「1」から「16」まで全て数えるのは不可能だし効率も悪いし、そもそも叩けない。
そこでこの「16」を「4」までチャンクアップします。
つまり16回叩いているけど、頭の中では「1.2.3.4」しかカウントしません。
そうなると4回叩く毎に一回カウントすることになります。
ようするに「ザックリ、大まかに数える」ということですね。
ただこれもテンポによって変えることが大事で、例えばテンポの遅い曲だと「4」というチャンクアップだとやりにくいので「8」にチャンクアップします。
つまり2回叩く毎に1回叩く感じですね。
おわりに
というわけで今回はチャンキングのお話でした。
例として「スネアドラムの連打」のときのチャンキングの使い方をご紹介しました。
このチャンキングは「スネアドラム連打」というシンプルなものだけでなく、複雑なフィルインやリズムパターンを叩くときにはかなり必須になってくると思います。
要は、音符全部を均等に頭のなかでカウントしてたら、とてもガチャガチャとした演奏になってしまうということですね。
文字だけだとお伝えしづらい部分もあるのでまたYouTubeの方でもお話したいと。
よければご参考までに。ではでは。