リズムの中にある「フラクタル構造」を理解すると…リズムの理解が深まります

今回もドラムの話。
今回はやや抽象的な話なので、あまり初心者向けの内容ではないかもしれませんが…(かといって私が上級者という意味ではありません笑)。
テーマは「リズムのフラクタル構造」について。結論を先にいうと「リズムをより詳細に理解するにはリズムをフラクタル構造的に理解するとよい」ということです。
…という何とも謎なテーマでありますが、決して小難しいことだけを言いたいわけではないので、興味のある方は以下お進みください。
フラクタル構造とは?
まずフラクタル構造とは何のことか?という話ですが。ここでアカデミックな話をしてもあまり本筋と関係ないので省きますが…要は同じ図形が繰り返されるような「入れ子」な構造のことです。
たとえば↑こんな感じで、とある幾何学的な図形パターンの中に同じ図形パターンが存在していて、更にその中にはまた小さい図形パターンが存在して…というように(理論上は)無限ループの様に同じ図形パターンが繰り返されること、みたいな感じでしょうか。
これとリズムと何の関係があるの?ということなんでが…勘の良い方はお気づきかもしれません。
要は音符というものは全音符→二分音符→四分音符…というように次第に細かくなっていくので、音符のゲシュタルト(まとまり)であるところの「リズム」はその性質上、すでにフラクタル構造になっているとも考えられるのです。
リズムのフラクタル構造とは?
というわけでここからドラムの話に移っていきますが。
まず前提としてドラムを叩くときは「オフビート」を感じることが大切だと言われております。
ここでいうオフビートはロック・ポップス・ジャズに共通して、2拍目と4拍目、つまり「四分音符」単位の裏拍のことを指します。
まずはこのオフビートを感じることが大切なのですが、はたして「これだけ」で十分なのか?という問題がでてきます。
それは、2拍目と4拍目のオフビートは小節を四分音符で分けた時のオフビートであるからです。なので更に細かく分けていくと、四分音符一つの中にも、オフビートがあり、更に細かい八分音符一つの中にもオフビートはあります。
この様に、リズムを理解する上ではまずは2拍目と4拍目のの「おおまかな」オフビートを感じた上で、その中にフラクタル構造的に含まれている更に細かいオフビートを感じることが大切なのかと思います。
実際の曲で理解してみましょう
さてそろそろこの抽象的な話を文字で説明するのが限界にきたので…実例でご紹介しましょう。
今回取り上げるのは、BPM200越えの「跳ねる」リズムの曲。ドラムのパターンとしては2バスで両足を使って、
「ドッド・ドッド・ドッド・ドッド…」
と跳ねるビートを踏みつつ、スネアを、2,4拍に入れていく形になります。
そして上記で説明したリズムの曲は有名どころだと…こんなのがあります。
とりあえず聴いてみてください。
www.youtube.com www.youtube.comこれらの曲のリズムをフラクタル構造的にとらえてそのオフビートを考えると、一番大きな分割は、四分音符。つまり、スネアを2拍目と4拍目に入れるオフビート。
最低限これだけでも演奏はまぁまぁ出来てしまいそうですが、ちょっとやっかいなのが、この手のリズムパターンはシンコペーションが多い。
そこでその際は、次の細分化されたフラクタル構造のオフビートを感じる必要があります。
それが四分音符一つを3つに分解したオフビート。(なぜ3つなのかというと…跳ねるリズムだからです)
ここまでで大体カバーできますが、細かい6連符のフィルをグルーヴにのせて叩くにはもう一段階細かいフラクタル構造(つまり八分音符を3個に分けて聴く)でリズムを聴く必要があります。
これ以降は分解能が細かすぎるので、不要かと思います(さすがにこのテンポで32分音符は使わないし…笑)
おわりに
こんな感じで、上手く伝わったかは謎ではありますが。
オフビートをフラクタル構造で理解すると、リズムのおおまかに聴きつつ、細かいノリも出せる…というような音楽の聴き方ができるのではないかと。
このテーマはとても興味深いのでまた何か書いていきたいと思います。
ではでは。