フランクザッパの名言も満載な映画「音楽に愛された男」を見た感想

はじめに
さて今回も映画レビュー。
ステイホーム期間の「自炊」のときもそうでしたが一度ハマるとなかなか抜けれなくなるので、映画熱が数年ぶりに蘇っています。
そして今回の記事はは伝説のギタリストであり作曲家の「フランクザッパ」の映画です。
ボヘミアンラプソディーのようにいわゆる役者が演じた「ストーリー」ではなく、本人出演のドキュメンタリーですね。
フランク・ザッパ(以下ザッパ)に関しては、ロック界の「鬼才」という言葉がふさわしい、まさに「異端児」的な活動を生涯貫いてきました。
ただこの異端っぷりも「異端」なのがいわゆるロックミュージシャンの形容詞ともいわれる「セックス・ドラッグ・ロックンロール」的な要素は感じられません(ツアー中はメンバーにもドラッグを禁じていたくらいですから)
ただ作中をみるとわかるように相当なヘビースモーカーだったようですがね。
この「異端」というのが「表現の自由を貫き通したこと」「表現の自由を貫き通すために自分でレコード会社を作ってしまったこと」「晩年はクラシックの作曲活動に力をいれていたこと」などですね。
バンド系のミュージシャンがクラシックをやることはあっても、それは往年の曲を外部のクラシックの編曲家に依頼して映画のサントラのようにリメイクする、というクラシックではありません。
本物のクラシックです。ザッパは音大出身ではないので、いったいどこでクラシックを学んだのかは謎ですが(作中にもでてこない)、初期のバンドの音楽のなかにも、いきなり現代音楽のフレーズが飛び出したりして、その曲風も相当異端なものでした。
作中をみると「ブーレーズ」「ストラヴィンヴィンスキー」「ヴェーヴェルン」などが好きだったようです。
生前に残したアルバムの数が尋常じゃなくてググってみると100枚超えとのことですが私も一時期ハマってたぶん30〜50枚くらい聞いていました。
ザッパのバンドはとにかくストイックだったらしく、ツアーのリハーサルの量も半端ではなかったそうで。
一見して「ふざけてるの?」みたいなフレーズも音楽的にはかなりのハイレベルなことをさらりとやってのけているわけなんですね。
ザッパバンドの出身者としては「あの」スティーヴヴァイやらテリーボジオやら、物凄い人たちを排出していることからもその凄さはわかります。
ドラマー諸氏なら難曲として名高い「ブラックページ」は一度は聞いたことあるのではないでしょうか。
というわけで前置きが長くなりましたが、今回は本作品を「ザッパ好き」と「ザッパ初心者に」おすすめの部分をご紹介。
なお、ネタバレは多分にあるのでご注意を。
ザッパ好きにオススメなポイント
一応ザッパの時系列的に作品は進んでいるようですが、若かりし頃のヒゲもはえていないザッパが、TVで自転車を演奏しているシーンはレアですね。
今まで「バンドで自転車を演奏している」人は見たことがない。さすがザッパ。
それがまるでジョンケージのプリペアドピアノのように音楽的にまとめてしまうところは天才の所以ですね。
そしてもう一つは晩年に癌を患った後のインタビュー映像。
ザッパというとどうしても「怖い人」という印象がありましたが、あんな温和なザッパは初めてみました。
そしてインタビュー自体も「我が人生に一片の悔いなし」じゃないですけど、そんな感じのインタビューは一見の価値ありです。
ザッパ初心者にオススメなポイント
(↑歌詞の表現について糾弾されたのをネタにしてしまったアルバム)
ザッパを知らない人にとっては、カルト的な匂いすらするギタリストにも見えるかもしれません。
しかし「世の中に卑猥な言葉など存在しない」という発言からも、ザッパは「表現」としての音楽と「商業」としての音楽を頑なに分けることを貫き通したギタリストだったんだなと改めて感じました。
それでいて先ほども書きましたがいわゆる「ロックミュージシャン・ミュージシャン」したタイプの型破りな感じではないんですね。
そんな唯一無二のギタリストの生涯は一見の価値ありですよ。(まぁそのために歌詞の内容などで多方面から批判をくらいまくった音楽人生でしたが)
おわりに
というわけで今回はこちらの映画レビューでした。
最近ふと思ったんですが映画見てる間って余計なこと考えないから、良いですよね。家だと映画見ながらうたた寝なんて最高の瞬間ですよね笑(ネタ部分は戻れるし)。
ではでは。