楽器の「基礎練習」の本当の意味とは?

はじめに
今回はドラムの話…というよりかは楽器をやっている人に向けてのお話。テーマは「基礎」についてです。
楽器をやりはじめの頃は、わからないことだらけでとにかく弾けるように(叩けるように)なることを頑張っていいんですけど、それだけだと後々ちょっと困ることが出てきます。
なので今回はお悩み解決系の記事ではなく、知っておくと役に立つ様な記事です。
対象は中級の入り口くらいを想定してますが、楽器歴ゼロの人にとってもこれを知っておくと今後の伸び代が変わってきます。では早速本題に。
「基礎=無意識的に出来ること」
今回の結論としては「基礎は無意識的に出来ること」ということです。
要するに、誰だって上手く楽器を演奏したいとは思いますが、上手く演奏しようと思って演奏出来ないのは基礎が不十分だからなんです。
反対に難しい事をいとも簡単にやってのける人は基礎が出来ているから、なんですね。
というわけで一見すると「”基礎が大事”みたいな当たり前の様な事を書いてるのでは?」と思われそうですが、「なんで基礎が大事なのか?」という仕組みについて詳しく書いていきます。
「基礎=無意識」って?
今の話しの繰り返しになりますが、「基礎というのは無意識にできるようになってこそ定着するもの」と考えた方がいいです。
なぜなら基礎はかなり無数の要素が絡まっているので、それを意識して全てやる事は不可能だからです。これを人間の「注意資源」と言ったりもしますね(まぁせいぜい自転車乗りながらスマホをいじるくらいが限界でしょう)。
そして楽器を上手く演奏しようというのは「意識」してやることであるので、「基礎を意識的にしようとしている」という無理難題なことを頑張っているということなんですね。
簡単な曲ほど難しい
ここで「自分の基礎がどのくらい身についているのか?」を確かめる方法があります。
これはともするとやる気をくじくことにもなるので強くはおすすめしませんが、ある程度いろんな曲が演奏できるようになったら一度シンプルな曲(歌謡曲とか昔のロックとかいいですね)を演奏してそれを録って聴いてみてください。
ここで基礎が出来てないと、その演奏の酷さに愕然とするかもしれません。これは基礎が不十分なままで今までやってきてしまったということなんですね。
そして簡単だけどしっかりと作り込まれた曲ほど、基礎の足りなさが浮き彫りになってしまうわけです。
基礎練習とは?
「じゃあ基礎が抜け落ちてしまっていたら取り返しがつかないの?」と思った方もいるかもしれませんが、基礎の不足はある程度は取り返しがつきます。
ただここでのポイントは「教材で紹介されている基礎練習」を漫然とやるだけだと基礎は身につきにくいのです。
なので基礎を身につけたければ「基礎とは何か?という事を考え抜くこと」です。自分のメインの楽器なら基礎について延々と語れるくらいになるといいですね。
そして上手いプレイヤーを見つけたらその人のテクニックよりもまずはその人の「基礎」のすごい部分を探すようにして聴いてみると、それが自分のプレイにも反映されてきます。
こう書くとなんだか修行みたいなストイックな話にも聞こえますが、やってみるとゲームみたいで結構楽しいものです。
おわりに
というわけで今回は「基礎」のお話でした。とは言っても基礎練習については一切書かない、というなんともザックリとした内容でしたが。
どうしても「基礎」という言葉に引っ張られてしまいますが、「基礎」の蓄積こそ「実力」そのものになるので…と書くとまたありきたりな話なんですけど、そのありきたりな話を今回ちょっと深掘りしてみた、ということですね。ではでは。