「耳がいい人」にはどうすればなれるのか?

はじめに
今回はミュージシャンなら誰しも憧れるであろう「耳がいい人」について書いてみようと思います。
これまでもちょくちょく書いてきましたが、改めて一つの記事として書いてみようと思います。
まず「耳がいい」とはどういうことか?と言うことですね。簡単にいうと「演奏の良し悪しがわかる」と言うこと。
これは楽器や機材の良さや演奏者のスキルなど、総合的な演奏の良し悪しのことです。
料理で言うならば「舌が肥えている人」と言うことでしょうか。
なので今回は「耳がいい人って、どうやってなればいいの?」と思っている方に向けて書いていこうと思います。
対象は大体初級〜中級くらいの方に向けて書いていきます。では本題に。
上達のスピードが格段に変わります
まずポイントとしては「耳が良くなると上達のスピードが格段に変わる」と言うことです。なぜかと言うと、「どう上手くなればいいのか?」がわかるからです。
それがわかれば、そこに向かって頑張ればいいだけなんですね。
楽器が上手くなるにはフォームやら、呼吸やら、機材やら考えることが色々あります。
しかしそれらの色々なことが、「耳がよくなる」と、無意識的にそうなるように進んでいくような感じなんですね。
耳の良さとRASについて
ここで、この耳の良さを考える時に「RAS」と言う言葉をご紹介。
これは脳科学の本や、自己啓発書ではおなじみの言葉ですが、「脳の働き」のことですね。
しっかりと説明すると長くなるので今回の記事に沿った説明をすると、「知らない音は聞き取れない」と言うことです。
脳は省エネのために情報を結構素通りさせているんですね。
よく使われる例が「赤い車が欲しいと思ったら、街中に急に赤い車が増えた」というお話。これは元から走っていた赤い車に、気がつくようになったというカラクリです。
なので、どんなに素晴らしい演奏を聴いてもそれが「上手い演奏」と言うことがわからなければ耳を素通りしてしまうと言うことなんです。
音楽以外で耳の良さを鍛える方法
で、実際に「耳をよくするにはどうするか?」ということです。実は音楽そのものでこのお話を理解するのはちょっと難しいのです。
なのでこのRASを体感するために身近なもので試してみるといいです。
例えば、焼肉やお寿司が好きなら、高いものと安いものを食べ比べてみたり。
この時に、何となく「美味しい」「まずい」ではなく、自分の中に基準を作ってみる、ということが大事です。
要はこれは「舌を肥やすことの練習」なのですが、味覚はわかりやすいのでこれはお勧めしたいです。
後はお金をたくさん稼いでいる人にあってみたり、高級ブランド店に入ってみたり。
ポイントはいかに「臨場感」を感じるか?ということですね。
おそらく安いものって日常的に接することが多いと思うので、安いものと高いものに触れて比較するということが大事ですね。
高い楽器を演奏することについて
ということなので、何度も書きますがポイントは「安いものと高いもの両方を比べること」です。
よく「上手くなりたい時に、最初から高い楽器を使ったほうがいいの?」ということが言われます。
この手の話で「最初から高い楽器を使ったほうがいい」という人と「最初は安い楽器でいい」という意見に分かれると思います。
もちろん高い楽器のほうが弾きやすいです(ただしこれには例外もありますが)
ただ楽器に予算を割けない人もいると思うので、ポイントは「両方弾き比べて違いを確認する」ということなんです。
私のレッスンでもたまにスタジオを変えて高い機材をレンタルで使ってもらったりしています。
楽器の値段やグレードは「何が違うのか?」というのを、できれば言葉にしてお伝えするようにしています。
まぁ完全に言葉にしきれるものではないのですが、言葉にするのはRASを開発する第一歩としては有効な手段だと思います。
終わりに
というわけで今回は「耳がいい人」とRASの関係についてお話しました。もちろん「自分でいい演奏ができないとわからないこと」もあるのは事実です。
ただそれまでには少し時間がかかるので、まずは「比べる」ということがとても大事ということです。
「比べる」ことでどんどん耳が良くなっていくということですね。ただ「これは上手い」「これは上手くない」と言ってくれる人が身近にいると、さらに耳の良さが加速していくと思います。
よければご参考までに。ではでは。