【書評】超絶ギタリストになるための思考と練習法【Syu・著】

目次
はじめに
今回は久々に書評を書こうと思うのですが、今回は日本を代表するメタルバンド「ガルネリウス」のギタリスト兼リーダーSyu氏の教則本「超絶ギタリストになるための思考と練習法」です。
今回はこちらの本を読んでの感想なので、書評と言いつつも結局はドラムの話です。
ギタリストの教則本ですがこの本のタイトルの「思考と練習法」というところに魅かれて購入しました。
なので「これってギタリストの練習法でしょ?」と当然思ったかもしれませんが。
確かに私もギターに関しては簡単なコードびきと単音弾きくらいしかできませんので、この本の具体的なギターの練習メニューに関してはやろうと思ってもできません(指がついていきません…)。
ただ、この本は練習の心構え的なエッセンスが沢山詰まっているのでドラマーとしてどう活かせるか?を今回は書いてみようと思います。
以下引用ページとともにご紹介いたします…が、結構盛りだくさんなのでまずは1~2章の中からご紹介いたします。
P482「ギターに触らない時間を減らす」
これはドラマーにも、もちろん言えることであり、特に自宅で生ドラムが叩けないドラマーは特に気を付けたほうがいいことです。
要するに例えば、週一回に4時間まとめて練習するよりは、週に4回一時間練習したほうがいいというようなことですね。
ただドラムの場合は毎回の練習の最初に「セッティング」があるのでそのすり合わせが難しい。
そこでお勧めしたいのは、「ちゃんとセッティングしない練習」。要は、チューニングやセッティングを適当にしてでも頻繁な練習の機会は確保したほうがいいと思います。
ちょっと脱線しますがこれってブロガーについてもいえることで、ブロガー・立花岳志氏の本では、がっつりブログを書きたい人は「とにかく毎日更新してブログ筋」を鍛えることの大切さが書いてあります。
P510「一度の練習で複数のメニューをやる」&P522「休憩を挟む」
これはドラムでいうと、「基礎練習」、「自分が苦手なリズムやフィルの練習」、「曲に合わせて叩く練習」を一度のメニューに盛り込むということです。
こんなに盛り込むと全部半端になってしまいそうな感じもありますが…複数のメニューを少しでもやっておけば、一度練習をしてドラムを叩かない期間に「寝かす」ことができるからです。
そして「寝かす」と次の練習の時には少し上手くなっています。
つまりこの「寝かす」期間を見越してとりあえず自分の身体に覚えさせることが大事だと思います。
ただ例外は、「どうしても克服しないといけないもの(リズムパターンとか)が直近に迫っているとき」です。
このときはそれだけをひたすらやったほうがいいでしょう(精神的にも安心するし…)
P625「確実に」弾けるテンポを見つける
これは自分が叩けないパターンをどう克服するか?という問題。
心理学でいうとヴィゴツキーという心理学者の「発達の最近接領域」というお話が有名ですが、要は「ちょっと無理ができるテンポ」で練習しないと効果が薄いわけです。
そしてそのテンポを見つけることが練習のスタートとしては重要になるわけです。
私がオススメしている「ブラストビートの練習」も最初はBPM90くらいからやっていくととても良い練習になります。
P647「根性練習」
これはスタミナが要求されるメタルギタリストならではの視点というか練習かなと思います。ということは…メタルドラムもいわずもがな笑。
ドラムに関しても「脱力をすればスタミナは減らない」という誤解をしている方は要注意です。
脱力をしていても、メタルは疲れます笑
なので、ドラムの場合だと例えばBPM120で5分間ツーバスを踏み続けるとか、そんな練習をしておくと本番とても楽です。
要するに、練習を本番以上にきつくしていれば本番は楽に乗り切れる、というマッチョなお話であります。
おわりに
というわけで、ドラムの練習にも応用できそうなポイントをご紹介しました。
「上手い人は練習をしている」という当たり前のことが体感として感じられる本だと思います。
まだまだいろんなエッセンスがあるので機会があればまたご紹介します。ではでは。