「ドラマー的・曲の覚え方」のコツの1つ、「記憶の内在化と外在化」について

はじめに
今回はドラムのお話し。テーマは「記憶の内在化と外在化」です。要するに「手っ取り早くたくさん曲を覚えよう!」と言うテーマです。
先日の過去記事では「カンペを作るコツ=違うところを注目すること」と、いうお話しをしました。
ちなみにこのブログに書いてあることは、机上の空論ではなく私自身やレッスンで生徒さんがが実践してうまく行ったことをベースに書いていて、この「カンペの使い方」もお勧めできる内容です。
実際にこの曲の覚え方を実践して曲を覚えるスピードが格段に上がってきています。
しかし、ふと思ったことがあります。それは「詳細なカンペを作りすぎることの害」ということ。つまり「カンペがあるからといってなんでもかんでも書く」ということはおススメできないと、いうことです。
というわけで前置きが長くなりましたが今回は「短期間で沢山曲を覚えないといけない…けど時間がない!」というドラマーの役に立てばと。では本題に。
結論→「記憶の内在化と外在化」を使い分ける
さっきもちょっと触れましたが、カンペに全て書き込むのであれば、それはもはやカンペというよりは書き譜に近いものとなります。つまり本末転倒なんです。
要はカンペというのは「忘れた時にチラッと見るもの」というものです。
よく心理学では「内在化と外在化」という言葉が出てきますが、「内在化」というのは自分の中に取り込むことで、「外在化」というのは自分の外に置いておくということ。
よく言われる例として「TODOメモ」のいいところは、自分の記憶の外にタスクを置く、つまり「外在化する事でタスクを頭の中にとどめておくという無駄なエネルギーを節約できる」というところにあります。
で、話をもどすと「ドラムのカンペを使って記憶を全て外在化しない方がいい」と言うことです。
つまりドラムの演奏って瞬間瞬間の判断の連続なので、要ははカンペに全て書き出しても間に合わないんです。つまり何が言いたいかというと、「ある程度は暗記を覚悟しないといけない」と言うことです。
暗記の方法は過去記事のプライミングのところで書いたのでここでは書きませんが、暗記は移動時間中にできるので、後は「暗記してやるぞ!!」という気合いな部分もあります。
つまりここまでをまとめると、
✔︎内在化→頑張って曲を覚える
✔︎外在化→カンペに書き込む
と言う2つのバランスを意識して曲を覚えると効率良いです。理想としては、徐々に自然に内在化の割合を増やしていって、ライブ本番の日にはカンペがなくても叩けるくらいに持っていけると良いかなと。
カンペに何を書けばいいの?
で、肝心の「じゃあカンペに何を書けばいいの?」ということですが。
一つのポイントとして「必要最低限ミスったらやばいところのみ書く」くらいが理想です。例えば…
✔︎曲中で目立つ部分のキメ
✔︎拍子が変わるところ
✔︎シンコペーション
こんな感じでしょうか。
ただこれを書き出すと欲が出てきて「ここもあそこも書かないと…」となりますが、そこはグッとこらえて頑張って覚えましょう笑。
おまけ→ジャムセッションの時のカンペの作り方
最後にちょっとおまけで、この「内在化と外在化」はアドリブのセッションの時にも使えます。
例えばジャズのスタンダードみたいに、「最初と最後だけ決まっていてその間はフリーで繰り返す」というとき。この間の繰り返す小説数は一定ではないので、そこまで覚えていると大変です。
なので、そこだけその場で殴り書きでも良いからカンペに書き込んで(=外在化)、最初と最後のキメやパターンはきっちり丸暗記する(=内在化)…という使い分けをすると安心して演奏に取り組めます!
おわりに
というわけで今回は「記憶の内在化と外在化」の仕組みをお話ししました。
前にも書きましたが、ドラムの演奏は集中力をとても使うので、余計なことは気にせずに演奏に没頭できる自分の意識状態を作る術はたくさん持っておくと良いかなと思います。ではでは。