ラテンドラムの「なまり」から学ぶ…譜面に縛られない表現方法とは?

ラテンから学ぶ訛り
今回はドラムのお話。テーマは「ラテン音楽のドラムから学ぶ”なまり”」という少々マニアックなもの。
この”なまり”の話は後ほど説明しますが、今回一番お伝えしたいことは譜面に書けないニュアンスの活用法ということをお伝えしたいわけです。
なので特にラテンドラムに興味が無くても、「自分なりの個性を出したい方」「表現力をもっと上げたい方」「同じフィルインでも”すごい!”といわせたい方」にとっては何かしらのお役に立つのではないかと思います。では本題に。
なまりとは?
まず一般に言われている「なまり」は話し言葉による「方言」が分かりやすいと思います。
つまり東京で話されている言葉を標準語とした時に、それと違ったイントネーションやことば使いを「なまり」としているわけですね。
それがドラムについてはどうなるか?というと、このように譜面上では16分音符や、8分音符でも結構そこからずらして叩いています(幸いなまりについての動画があったので引用します)。
一応馴染みの無い方に説明しておきますと、ラテンの音楽のドラミングはもともとラテンのパーカッション単体を、パーカッションの集合体であるドラムで再現しています。
なのでラテンのパーカションの「ティンパレス」などの演奏を見ると非常に譜面から逸脱している叩き方となっていることがわかります。
タイミングをずらしてもいい理由
ただ、ここからがポイントなのですが、なぜここまで譜面から逸脱しても音楽的に成立しているのか?といいますと、答えはシンプルで「要所要所のタイミングは合っている」からなのです。
つまりこの辺も過去記事に書いた「リズムの微分積分」の内容に関係するのですが、例えばリズムを16分音符で分割して感じている時には極端な話、4分音符のラインが合っていればその間の音符のタイミングはずらしても、音楽のジャンルによっては成立してしまうということです(ここ結構大事です)。
そしてそれが顕著なジャンルがラテンのドラムの一つの特色では無いかと。
というわけで、ラテンのドラムの特徴についてはお伝えしましたが、これはラテン以外にも結構応用できたりします。
わざとハシったり、モタったりしてみる
まぁメタルやハードロック、ラウドロックなどは割とカッチリしたリズムが要求されるので、なまるということはなかなか難しいのですが。
この曲のド頭のフィル(0:14あたり)のフィルとか凄まじいです。多分私の好きなフィルの中で一番です。
ちなみにドラムは山木秀夫氏です。動画はすぐ消されるのでこれはドラマーなら買ってでも聞くべき曲です。
まぁこれは凄すぎて真似できませんが…話を戻しますと。
ラテンほどではないですが、ある程度のリズムの枠組みとなる4分音符のタイミングはきっちりと守って、その音符間のタイミングについて、ちょっとハシってみたり、わざとモタってみたりすると、なんとも言えない個性的なリズムパターンやフィルが叩けたりしてしまいます。
要は何が言いたいか?というと、16分音符単位の細かいところまでジャストなタイミングで叩くばかりが「正しい」ドラムではないということです。
終わりに
というわけで今回はちょっとマニアックなお話でした。
段階としてはまずはジャストなタイミングである程度叩けることが先決なので、今回の話は「譜面の縛り」が窮屈になってきたくらいのレベルの方には何かの参考になったかもしれません。
この辺ってむしろドラマーより、ドラムは叩けないけどドラムを打ち込みで作り上げるトラックメイカーの方が熟知しているというった逆転現象が起きているのではないかと思うのですが。
ドラマーも負けじとこのなまりについて自分なりの表現方法を追求していってほしいかなと思います。ではでは。