ドラミングにおいて、「ライブモード」と「レコーディングモード」を使い分けるということの大切さ
今回もドラムの話。テーマは「ライブモード」と「レコーディングモード」の使い分け。
ドラムもそれなりに長くやっていると「レコーディング」つまり、自分の演奏を録音するという経験をすることになるかと思います。
まぁおそらく大半のケースが自主録音になるかと思いますし、幸運にもプロ仕様のスタジオで撮るチャンスに巡り合える人もいるかもしれません。
しかしこのレコーディングというやつは少々いつもと勝手が違うもの。これまでも「リハーサルスタジオ」と「ライブハウス本番」の環境の違いを書いてきましたが、
まぁ何にせよ環境の違いは、楽器の演奏と密接に関係すると思いますので。今回は「ライブ用のドラミング」と「レコーディング用のドラミング」の違いについて考えてみたいと。
なので「レコーディングをやってみたけどいつも通りの演奏ができなかった…自分ってこんなに下手だっけ?」とか「これから初めてのレコーディングなんだけど上手くいくか不安」とかいう方のお役に立てばと。
ついでにいうと「まだレコーディングをしたことのない」という方にも、「ドラムの叩き分け方」を知っておくことは何かの参考になるかと思います
では本題にいってみましょう
「空気感」のコントロールの違い
まずいきなり抽象的な話ですいませんが…そもそもライブとレコーディングでは「空気感」が全く違うのでそこを意識する必要があります。
これは例えばライブの経験が数回のドラマーでもおそらく肌感覚というか、無意識的にはわかっていることだと思います。
つまり、極端な話をするとライブはドラムの演奏をするというよりも、会場の空気感を作り上げるという要素が強いです。
これは一緒に演奏するメンバーと、お客さんを含めた空気感です。これに対して、レコーディングは自分一人との対話の様なものです。
なのでエネルギーの放出する方向がライブでは「全方位360°」みたいな感じですが「レコーディング」では自分の中にため込んで自分の中でそれを燃焼させるみたいなものでしょうか(わかりにくいですねぇ…)。
ドラマーの「動き」について
次に客観的&物理的な要素として「動き」があります。まず細かいところでいうと、まずはスネアを叩く左手。
これは別に高く振り上げなくてもドラムは叩けますが、ライブではドラマーは後ろにいるので、高く振り上げた方が目立ちます笑。同様にクラッシュシンバルを叩くときも多少大げさな振りかぶりをした方がライブの時はいいでしょう。
ただし、ライブ時のヘッドバンキングは首を痛めるので禁忌です。他の動き方でいろいろ工夫をした方がいいです
一方でレコーディングの目的は「演奏ときっちりとする」ことなので、これらの動きは不要となってきます。
服装について
ライブは人前にでるので、それなりの服を着ないとなりませんが、レコーディングは誰も見ていません。なのでレコーディングの時は身体の締め付けがない服装がベストです。
マイク・ポートノイに学ぶ!両者の違い
というわけけでこれは文字でどうこう書くよりも実際に見ていただいた方がよいかと思います。
今回はドリーム・シアター在籍時のマイク・ポートノイのライブ映像をご紹介。なぜかというと違いがとてもよく分かるからです。(まぁマイク・ポートノイの場合はあれだけライブで動いても演奏がぶれないので、そこはすごすぎて参考にはなりませんが…)。
今回の曲は「As I Am」です。ドリーム・シアターにしては変拍子少なめの割とキャッチ―な曲です。まずはレコーディング映像がこちら。非常に丁寧で緻密な演奏がなされています。
www.youtube.comそして…ライブだとこうなります。
www.youtube.comいかがでしょうか…いきなり立って叩いてます笑
まぁこの対比はかなり極端な例ですが、ライブとレコーディングのそれぞれの目的に応じた使い分けという点では非常に参考になるのではないかと。
おわりに
というわけで、これはもちろん他のパートの楽器にも言えることだと思います。
ただいきなりこれをやるのは無理なので、経験を重ねていく中で徐々に身についていく力なんだろうなぁ…と改めて思いました。
ではでは。