【書評】もっと幸せに働こう【MB・著】

はじめに
今回は書評記事です。最近ファッション界で抜群の知名度をほこるMB氏のこちらの著書をご紹介。
MB氏をググってみると「ユニクロに1000万使った男」などと紹介されるように、「ファッションセンスのない男性がお金をかけずにどうやってオシャレになるか?」ということを追求し、発信している方としても有名です。
つまり、もともとファッションセンスのある人はなんとなくフィーリングで服を来ても様になるのですが、そうでない人にとってはしっかりとした方法論があるとありがたいわけです。
これは楽器のレッスンでも同じで、天才がフィーリングでできてしまうことのメカニズムを「いかに誰がやっても再現できるように教えるか?」が音楽講師の仕事なわけです。
ちょっと話がそれましたが、MB氏を前々からチェックしてたのは、発信する情報に触れると「自分も着てみたい!」と思わせてくれる不思議な魅力があるからなんですね。
まぁ、私はミニマリストだし服もモノトーンしか着ないので応用できる範囲は狭くはありますが、そんな経緯で「MB氏のビジネス本が出てる!」ということで、Kindleはなかったけど紙の本で買ってみました。
ブログで「何を」したいのか?
著者のMB氏のビジネスのベースは「ブログからスタートした」ということでブロガー向けのメッセージも見られます。
それは「ブログそのもので稼ぎたい」と思うのではなくて「ブログを使って何をしたいかを常に考える」ということが大事、というメッセージです。
これを読んで脳科学者でもおなじみの苫米地英人氏のよくいうゴールという言葉を思い出したのですが、
この「ゴール」というのは苫米地氏の場合は「戦争と差別をなくすこと」であり、これに当てはめるとMB氏の場合は「オシャレな男性が増えること」なのかなと思いました。
つまり「ブロガー」とひとくくりに言っても、確固とした理念をもっているブロガーと、「お金を稼ぎたい」とだけ思っているブロガーではその人自体の魅力が全然変わってくるし、魅力のあるブロガーの記事やツイートの方が見てて面白いですよね。
これは常に忘れないようにしたいものです。
同じことを言い続けることの大切さ
偶然にも本書の中に先ほどの苫米地氏の下りが出てくるのですが、著者やブロガーなど「情報を発信する立場の人」は同じことを発信し続けていい、と言うことが書いてあります。
MB氏の場合では「ファッションのコツはドレスとカジュアルの比率を7:3にすること」を繰り返し発信しています。
ここからは私の感想になりますが「つい毎日ブログを書き続けていると同じことばかり書いてないか?」という自分への不信感がムクムクともたげてくる時があります。
ただこれって、先程の「ゴール」の話とからめて考えれば、ちゃんとした信念があるなら言うことがそんなにころころ変わるはずがない、ともいえるわけです。
これって、ドームを埋めるくらいのアーティストに、「いつも演奏する代表曲」があるのと同じかなと思いますね。
だから核となる伝えたいことはいつも同じでもそこから枝葉のように広がっていくことがあれば、その発信者のキャラクターはしっかりとできるのではないかと思います。
ビジネス=自分を捨てること?
もう一つが「自分を捨てる」ということが本書のポイントです。
マーケティングの基本中の基本に「ペルソナを考える」ということがありますが、これは『自分の売り出すサービスは一体どんな人(=ペルソナ)が欲しがっているのか?をなるべく細かく想定しよう』と言うことですね。
ただこれが頭では分かっていても、どうしても「自分がいいと思うものを提供したい」という気持ちに引っ張られがちです。
ここでMB氏は「滅私」という仏教の言葉を使ってますが、本書ではとことん自分の存在さえも、ビジネスのツールとしてみるくらいまで徹底しよう!ということが書いてあります。
ここで難しいのが、「ビジネスのために滅私する」ということと「他人の言いなりになる」ということのさじ加減なのかなと思いました。
でも本書を読んでみると、「滅私」と「他人の言いなりになる」ということはどうやら違うということのようですね。
こうなると哲学的なお話になっていきますが、先ほど書いた「ゴール」をしっかり持っていれば、滅私してお客のニーズに完全に合わせたサービスを提供しても、それはお客の「言いなり」になっているとは言わないのかなと思います。
これってミニマリストにも似てるものがあって、自分の持ち物を全て手放しても「自分は自分である」ということを目指している人たちがれっきとしたミニマリストになるのではないかと。
おわりに
というわけで今回はこちらの書評でした。
ミニマリストならファッションに関心がある人が多いかと思いますが、ファッションに関心がない人も「ビジネス書」として少し変わった切り口で書いてあるので、「どうせビジネス書なんて似たり寄ったりでしょ」という方にはオススメかなと思いました。ではでは。