ドラムをやっていて「曲が覚えられない!」とお悩みの方に向けて

目次
はじめに
今回はドラムのお話。テーマは最近あまり書いてなかった「曲の覚え方」についてです。
以前は記憶の種類や仕組みなどを解説してきましたが、やっぱり「時間がないのに覚えることはたくさん…」というドラマーが多いかなと思うので、今回は「ドラムを叩かないで曲を覚えるコツ」みたいなものをお伝えしたいと。
つまりこれができるとすべての隙間時間が使えるので大変効率がいいわけです。更にこれはドラマーに限らず楽器全般に使える方法だと思いますのでドラマー以外の方もぜひ。
では早速本題にいきましょう。
結論→プライミングを使う
まずは結論として「プライミング」を使うということがあります。
何やら聞き慣れない言葉が出てきましたが、それは後で解説するとして、「今回は何が言いたいか?」というと、曲の暗記はやみくもにやるよりも考えてやった方が時間のコスパがいいということですね。
そして「コスパがいい」ということは、忘れにくくもなるということかなと思います。
ではその方法をご説明していきます。
プライミングとは?
まずはこの、「プライミング」という聞き慣れない言葉について。これは心理学の用語なんですが、こちらのサイトがわかりやすく描いてあるので引用しますと、
先に与えられた刺激(プライマー)によって、後の刺激(ターゲット)の処理の仕方に無意識のうちに影響が出る現象。
…この「刺激」という言葉も心理学の専門用語なので具体的な例を2個ご紹介。
①「ピザって10回行ってみて→(肘を指して)これはどこ?」という遊び
→これは「ピザ」という言葉を事前に刷り込むと、「肘」をみてもつい似た発音の「膝」と言ってしまうというプライミングを利用した遊びですね。
②「セブンイレブンいい気分〜♫」というお馴染のCM
CMで散々見せられているので「セブンイレブン~♫」と聴いただけで「いい気分」が勝手に連想されてしまう…。
というように何かのワードを耳にしただけて勝手に次の言葉が出てきてしまう、というこの現象はCMなどにも巧みに使われています。
「お味噌なら」→「はなまるき」とかもそうですね。
曲の暗記にプライミングを使う
というわけで勘のいい人は気が付いたかもしれませんが、このプライミングは曲の暗記にも使えます。
というか、曲が暗記できている時ってこのプライミングが成立しているのではないでしょうかということですね。
例えば、「Aメロを叩いていると、Aメロの終わりにはBメロのド頭のフレーズが浮かんでいる状態」なのです。
これが記憶が不十分だと、Aメロが終わりに近づいてくると、「あれ、次どんなんだっけ?」と思い出すことになり、そんなことをしているとミスってしまうわけです。
プライミングを利用する実際のやり方は?
ということで要するに「曲がちゃんと覚えられている状態」では「プライミングが成立している」という現象を逆手にとって「プライミングを無理やり成立させてしまえばいいのではないか」というのが今回の結論です。
それにはどうするか?やり方は簡単で、「同じ曲をひたすら繰り返して聴くこと」です。
この時のポイントとしては「次はどんなだっけ?」ということを常に意識しながら聴くとより早く覚えることができますし、
普段譜面やカンペを作る人であれば最初にそれを作るという作業をしておくと、曲の構成が映像として頭に残るのでさらに効率が上がります。
終わりに
というわけで今回は「ドラムを叩かないで曲を覚える方法」についてご紹介しましたが、これはあくまでも下準備です。
つまりこの方法で曲を覚えた上で、実際にドラムを叩いて曲をちゃんと覚えていくということですね。
ただいきなり初めての曲をスタジオで叩きながら覚えていくと、「曲を知る」「身体に覚えさせる」という2つの事をスタジオでやることになるのでコスパが悪いということを今回お伝えしたかったわけです。
なので新しい曲を覚える時のコツは「常に次を思い出しながら曲を聴いてみる」ということがオススメです。よければ使ってみてください。ではでは。