ドラマー的・記憶のメカニズムの考察①~コード進行で曲を覚える方法~
今回はだいぶ特殊なお話です。
ちょうど最近もらったお仕事で10数曲短期間で覚えないといけない状況になってまして、しかもその他ドラム以外にいろんなやらなくてはいけないことがいろいろあり…
そこで人間は
「いかに効率よく早く曲を覚えるか?」
を考えるわけです。
これについては特に他のドラマーと話し合ったこともないので、みんなどうやっているのか知りませんが、人間の「記憶」のメカニズムと絡めて、私の場合を紹介します。
ちなみに、私は記憶に関して特異な才能はない普通の人間なので(笑)
皆さんのヒントになればいいなと思い記事にしようかなと。
あ、ただし今からするお話は「コード」の話が出てきます。
つまり、ドラムの他にギターや鍵盤をやっていないとあまり参考にならないかもしれません。
(ちなみに私はドラマーも何かメロディ楽器をかじる程度にはやることをお勧めしています…これについては後々お話します)
で、実際にどうするのか?ですが、結論は
「全部コードで起こす」
です。
試しに割かし皆さんが知ってそうなNANAの「グラマラス・スカイ」を例に挙げてみましょう。
イントロから1コーラスまでのサビはこんな感じ
【イントロ】
E B A A
C#m B A A B B
【Aメロ】
E B A A C#m B A B
E B A A C#m B
【Bメロ】
F#m F#m B B
【サビ】
A A C#m G#m A B C#m C#m
A B C#m B A B C#m C#m
こんな感じで、このやり方でもう10年以上やっているような気がします。
ここでのポイントとしては、
✔同じコードが続いても省略しない(これが小節線の代わりになります!!)
✔そこまで完璧にコードを起こす必要はない(心が折れます)
✔隙間を多めにとって、そこにフィル(オカズ)やキメを書き込む
✔見ながら演奏できるようにA4一枚になるべくおさめる(縦に2つ折りするといいですね)
ということなんですが、ではどうしてこれで曲が覚えられるのか?ということなのですが、
皆さんも定期テストの暗記系科目(英単語とか、社会とか、理科の生物&地学とか…)を勉強したときに、いざ本番のテストを解いているとき、
「あ、この内容、ノートのあの部分に書いていった」
と「記憶」を「映像」として思い出した経験はないでしょうか。
これは記憶の学問でもある認知心理学という分野では
「視空間スケッチパッド」と呼ばれている人間の記憶のシステムなのです。
こうすることの利点は「曲の構成を俯瞰して覚えられる」ということです。
音楽は「音なので」当たり前ですが前から後ろにしか流れていきません。なので曲の構成を覚えることはみなさん苦労したことがあるのではないでしょうか。
これはゴールの見えない迷路を入り口から進んでいくようなものです。
これに対して、カンペを作るということは、高いところから迷路全体を見下ろしているような状態ですね。
このように曲の構成全体を一望できるようになると、演奏中にカンペの内容が映像として浮かんできて、曲を覚えるスピードがかなり早くなります。
さらにこの「コード進行付きカンペ」にはまだまだ良いところがあります。
長くなってきたので、今日はこの辺で…
ではでは。