ドラマー的・記憶のメカニズムの考察②~何となく曲の雰囲気をつかむコツ~
【前回からの続きです】
さて、今回も「コード進行付きカンペ」のいいところについいてです。
前回は、曲構成を「映像」として記憶することを書きましたが…
次のいいところは、
「たいして覚えていない曲でもその雰囲気を理解できる」
ということです
具体的にどういうことかというと、
多少コード理論をかじったことがあるかたはわかるかと思いますが、
コードにはそれぞれ役割があります。
前回の記事で取り上げた「NANA」の「グラマラス・スカイ」をまた例に挙げてみましょう。
KeyはEメジャーで、転調はしていないのでこのキーだけです。
この曲に出てくるコードは(テンションノートは省略してます)、
E→トニックコード。安定感
B→ドミナントコード。次になにかが起こる。
A→サブドミナントコード。穏やかな感じ。
C#m→トニックコード。安定感
G#ⅿ→トニックコードっぽい感じ。しんみりとする安定感。
F#ⅿ→サブドミナントコードっぽい感じ。穏やかな感じ。
と、こんな感じです。かなりいい加減な表現ですが、ドラマー的にはこれで十分かと。
これを参考にすると、どこでフィル(オカズ)をどれくらいいれるか、またリズムをちょっといじってみるか、そして、自分の呼吸をどう合わせるか、が何となく見えてきます。
呼吸については、かなり重要な事項なので改めて別の機会に書くとして…
音的な部分で、実際のコード進行と見比べてみましょう。
「NANA」の「グラマラス・スカイ」のAメロとBメロです
【Aメロ】
E B A A
C#m B A B
E B A A
C#m B
まず、一行目の終わりは、「A」が2小節続いているので、そんなに盛り上げずにわりと淡々と叩いた方がいいことがわかりますね。
そして、二行目の終わりは「B」で終わっています。ここは実際はキメになっているのでここでちょっと場面が変わることがわかります。
更に、四行目の終わりも「B」で終わってはいるのですが、次のBメロの出だしをみると…
【Bメロ】
F#m F#m B B
F#ⅿから始まっています。つまり出だしは穏やかに始めるということが分かります。なのでAメロの終わりは「B」で終わっていてもさらっと流す感じで叩きます。
そしてBメロの終わりは「B」が二回続いています。しかも次はサビ!
ということはここで最大に盛り上げることが分かります。
(ちなみに、サビのアタマは「A」コードですが、サビなのでガツンと行きます)
と、この方法文字におこしてみると伝えるのが難しい…
とりあえず、私はこんな方法で曲を理解しています。
あと話がそれますが、曲の歌詞を丸暗記するという話も聞いたことがあります。
私もそうあるべきだと思いますが、これに関してはちゃんとは実行できていません…
まぁこんな風に曲を理解する方法はいろんな角度からできるということですね。
というわけで…ここまでやれれば短時間でいくらでも曲が覚えられるか!?
というと、もう一つ私が気にしていることがあります。
それはまた次回に書きましょう。
ではでは。