【書評】仕事が速く、結果を出し続ける人のマインドフルネス思考【人見ルミ・著】②
というわけで前回の続きです。前回よりこちらの本の書評を書いております。
今回は本文の内容に触れますが、書いているうちに「これって演奏や作曲と根っこは同じだな」ということに改めて気が付きました。なのでその辺の内容に関心のある方にはいいのではないでしょうか。
一応こちら音楽ブログですので、そんな音楽にも活かせそうな内容を今回は1つ引用してご紹介。では行ってみましょう。
1杯の冷たい水を飲みながら、水が体の中を移動する様子をじっくり観察する
…例えば、「本番で緊張する」とか、「腹が立って怒りが収まらない」とかいうときって、「その感情に飲み込まれている」とこが一つの原因とされています。
そして飲み込まれているということは、その感情を客観視…つまり意識的に気が付いていないともいえます。以前の記事でも書きましたが、都会に暮らしているとどうしても、環境からのノイズから身を守るために「ダウンタイム状態」…つまり「感覚を自分で遮断」している状態になっている部分があると思いますので。
マインドフルネス状態に近づくにはそこを開放する必要があります。
もちろん、海や山などの自然の濃いところに行くのもいいと思いますが、なかなか時間がとれないとき、この「冷たい水を飲む」ことはいつでもどこでもできるお手軽なものだと思います。
まず最初にコップに触れた指先の感触を感じて、口→舌→のど→食道→胃→腸…という具合に、冷たい水が自分の体内を通り抜けていく感触「のみ」感じてみるというわけです。これをやってみると、自分がいかに日頃、細やかな感覚をスルーしていたことに気が付くかもしれません。
そして同時に水の味も良く味わってみると複雑な味がするのではないかと思います(個人的には水道水の方が分かりやすいような気がします…軟水はなかなか難しい)。
そしてこのトレーニング、音楽をやっている人ならぜひ心得ておきたいことでもあるのです。なので別に冷水じゃなくても、他にはメジャーなものとしてチョコレートやレーズンをじっくり味わうワークもあります。
なぜなら人間の脳って省エネで動くようになっておりまして、一度見たもの、聴いたこと…などは回を重ねるごとに「慣れ」が生じてきます。この「慣れ」が生じているおかげで、新しい体験の情報を一度にとり込めるわけですね。
しかしこの「慣れ」ってやつが特に音楽をやっている立場ですと時として厄介で、自分の感覚を開いた状態、つまり「マインドフルネス」な状態にしておかないと…
自分では良いと思ってやっている音楽でも他人から見たらイマイチだったりということはよくあるわけで。(プロデューサーを外部の人に立てるというのはそういった理由もあるのではないかと。執筆業だとこれが編集者、になるのでしょうか)
まぁ一杯の冷水を飲んでも劇的に感覚は変わりませんが…この考えを自分にストックしておくと、次回からのリハーサルやライブにおいていろいろと得るものが大きくなるのではないでしょうか。
…というわけで今回一つしか引用できませんでしたが、もしかしたらまた続編を書くかもしれません。私も以前よりマインドフルネスは知ってはいましたが「体験」として理解できたのはこの本だったので、結構書くことが出てきてしまいました笑
ではでは。