「何か弾いてみて」といわれるときは…その人の「錯覚資産」が試されている?

はじめに
今回はドラムの話…もしますが、楽器全般に言えることかなと思います。
テーマは「何か弾いてと言われたら何を弾く?」です。例えばこんな場面ないでしょうか?
→ふと立ち寄ったお店や楽器屋に楽器が置いてある
→同行している楽器を全く弾いたことのない人に「何か弾いてみて」と言われる
→いつも当たり前のように楽器に触っているのに…頑張って弾いて見たが上手くいかない、もしくは何を弾いていいか浮かばない
…という一見すると別にどうでもいいような話に見えますが。
ここに客商売である音楽の本質が垣間見えるような気がします(別に音楽で生計を立ててなくても、人に聴いてもらう状況にあれば今回は”客商売”とします)
なので今回は「何か弾いて」といわれて空回りしたことのある人や、「ライブの動員が伸び悩んでいる」とお悩みの方になにかのヒントになればと思います。
今回のキーワード「錯覚資産」
というわけで今回は最近書店でも平積みになっている「錯覚資産」という言葉をキーワードに進めていきたいと思います。
これは定義を抜粋すると「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」ということらしいですが、要するに「すごいと勘違いさせる力」のことです。
これは対人関係や仕事の採用面接などでも効力を発揮しますが、音楽においてもいえるのではないかと思います。
極端にいうと「はったりをかます能力」のことだと思いますが、「そんなこといったって…実力がないといつかはボロが出るでしょ?」と思うかもしれません。
もちろんそうなんですけど、私が思うに「実力をつける」のと「はったりをかます力」は別の次元の力であり、両方身に着けていくのが理想なのかなと思います。
「何か弾いて」という人の心理
…で話を戻して楽器屋とかで「何か弾いてみて」と言われた時ですが、このときにいう側の心理としては「〝楽器が弾ける人〟に何か派手なことをやってほしい」ということなのではないかと。
なのでここで妙に専門的に複雑な演奏をやると全く逆高価なわけです。そう、これって完全に「錯覚資産」の能力が試されているわけですね。
これって冒頭にも書きましたが客商売である音楽の本質なのではないかと。
つまり、聴き手と演奏者という関係の「最小単位が」一人対一人なわけですが、この聴き手の人数が増えればそこはステージとなるわけです。
そこで聴き手となる人、特に楽器を自分で弾かない聴き手は「楽器を弾かない人」の認知というか音の感じ方をするので…演奏者に求めているのは「何か派手ですごいことをやってくれる」ことを期待しているのではないかということです。
もちろん、演奏者の実力の部分をしっかり聴く人(この場合、同業者や、音楽マニアなどでしょうか)もいるので、「楽器の実力」と「錯覚資産」両方を磨くことが大事なわけです。
実際に何を弾けばいいのか?
最後に簡単ではありますが、「じゃあ楽器を弾いてと言われたら…実際にどうしたらいいのか?」ということですね。
これは書きだせばきりがないので、今回の内容がイメージしやすいようにそれぞれ軽くご紹介。
①ギターとベース
これはもう「速弾き」ですね。速弾きができない場合はメロディアスで派手なリフをネタとして持っておくといいでしょう。
ちなみにガツンと聴かせられるのはEmのリフですかね。
②キーボード
これもリストなんか弾けたら最高ですが…できないときは「有名な曲」の一節をサクッとバラード調で弾けるといいでしょう。
③ドラム
ドラム単体で「あの曲だ!」と思わせるのは無理があるので、ドラムは2バスでドコドコやるか、2バスが無い時はとにかく「6連符でシンバルとスネアを早打ち」これが効果抜群でしょう。
逆に地味なリズムパターンはお勧めしません…。
おわりに
というわけで今回はちょっと変わり種のお話でした。
もう一度まとめると…「しっかりと実力」もつけつつ、「一般の人に”すごい”と思わせる”見せ方”」を習得するのが最強なのではないか、ということですね。ではでは。