「曲を理解する」ということは国語の文章題に似ている

はじめに
今回はドラムの話…ではありますが他の楽器でも共通するところはあると思います。
テーマは「曲を理解する」ということ。
以前にも似たようなテーマを書いたことがあると思いますが、この最近自分で曲に取り組んでみて思うところを交えてまた別の切り口でお話ししたいと思います。
というわけなのですが、実のところ「曲の理解ができない!」というお悩みは中級者以降に出てくるものかなと。
つまりこれが初級者だと「もらったオリジナル曲にドラムを上手くつけれない」とか「コピーしたい曲が難しいから簡単にしたい」という形で出てくるものです。
要するに曲の理解というのはレベルに関係なく大切ということで笑、今回は具体的なお話ではなくザックリとしたお話ですが、本題に行きましょう。
結論→曲の理解は国語の文章題に似ている
今回の結論としては、「曲の理解というのは国語の文章題に似ている」ということですね。
学生の時に国語の授業で誰しもが「下線部の作者の気持ちを、ア~ウの中から選べ」みたいな問題をやったことがあると思います。
私は小さい頃は国語はできた方なのですが、だんだん口がたつ高校生くらいになると「そんなの作者に聞いてみなけりゃわかんないし!」というツッコミが出てきます笑。
そう、確かに作者に聞いてみないと真相はわからないんです。ただこれって曲を理解することともとても似ているのです。
歌詞があるとそれは最大の手がかりになりますが、歌詞がない曲でもいろんなところに手がかりはあります。
もっと細かく言えば、「なぜここにこのコードを当てているのだろう?」とか「なぜここはリズムを変えたのだろう?」などなど、考えだすとキリがないです。
そして、その真相は曲を作った人にしかわかりません。ただ毎回その理由を本人に聞きにいくのも無理な話。
そこで作者の気持ちを推測しないといけないわけです。そして推測して自分なりにドラムをつけて叩いてみます。
作曲者がバンドメンバーだったら、「そこのニュアンスは違うよ」と言われるかも知れませんが、そしたら互いにすり合わせていけば良いだけです。
もしくは、その違いから新しいアレンジが生まれることもありますしね(これがバンドならではの醍醐味、というやつでしょうか)
音楽理論は「曲を理解するために」ある
私はドラムのレッスン中なのに音楽理論の話をよくします(決して”理論を覚えてください!”とは強要しませんので…誤解なきよう笑)
それは、「音楽理論は曲を理解するため」にあるからなのです。
おそらく天才と呼ばれるドラマーは音楽理論を知らなくてもフィーリングで、作曲者の意図に沿ったドラムをつけることができるかも知れません。
しかしそうでないと「ただフィーリングに頼るだけ」だと作曲者の意図が読み取りにくいんです。
もちろん作曲者が音楽理論を知らないでフィーリングで作っている曲もごまんとありますが、それでも理屈は同じです。
音楽というのは言葉を超えた”イメージ”同士のやりとりなのですが、「言葉を超えているがゆえにそのイメージを完全に汲み取れない」というズレが起きるのをこの「音楽理論」が助けてくれる、といったところでしょうか。
更に理論を知っていると便利なことがあります。それは「作曲の初心者が作った曲に合わせてドラムをつける時」です。
作曲の初心者が作る曲はまだまだ全体のバランスがイビツな事が多いので、そんな時も「ああ、この人はこのレベルで作っているんだな」ということが理解できて、そこのレベルまで落としたドラムをつけるという芸当もできるわけです。
終わりに
というわけで今回のポイントとしては「じゃぁ音楽理論を覚えよう!」ということではなく、「曲を理解するということのツールの1つとしての音楽理論」という切り口でご紹介しました。
ただ音楽理論を一度知ってしまうと、もう元には戻れず「分析の耳」で聴いてしまうようになります。なので、これから音楽理論を学ぼうという人は是非今の感覚を忘れずにいてください…絶対元には戻れませんので笑。
ではでは。