「ミュート」を積極的に活用するとドラムの音抜けがよくなりますというお話
今回の話はドラムの割かし初級よりの方に向けて(なので中級以上の方には周知の事実化もしれません…)。そして今回のテーマは「ミュート」です。
結論を先に言うと、「ミュートを使うと音の抜けが良くなる」ということです。ミュートというのは、ライブハウスやバーにあるドラムセットのスネアやタムの打面に貼ってあるガムテープやティッシュのアレです。
なのでライブハウスのドラムセットのチューニングやミュートを勝手にいじっていいのかどうかは定かではありませんが…リハーサルスタジオのドラムにはミュートがされているのは見たことがありません。というわけでドラムの音色の研究をするにはリハ―サルスタジオのバンド練習のときなんかはいい機会なわけです。
さてこのミュートに関して、「太鼓が鳴りすぎないように音量を下げるもの」とか「レコーディングでは他の太鼓同士の共鳴を防ぐもの」くらいの認識だけだとしたら、それはとても勿体無いことです。
「じゃあ一体何なのか?」ですが…冒頭にも書いたように「大音量のバンドの中で音の抜けが良くなる」という効果があるのです。
なお、これはかなり私の主観がかなり入っているので、「正しい」とされているチューニングやミュートの方法を知りたい方は市販の教本をご覧下さい…
また、スリーピース(ギター、ベース、ドラム)の様な音数が少ないバンドではともすると演奏がスカスカという印象(特にギターソロのときとか)を与えてしまうかもしれないので、ミュート無しの太鼓の残響も「空間を埋める」「音を埋める」」という点では必要かと思います。
しかし「ウワモノ」と呼ばれるパート(ギターとかシンセとか、もしくは同期)が2人以上いる場合、「タムやスネアなどの太鼓がどうもバンドの音に埋もれるな…」「ドラム単体ではいい感じにチューニングできてるのにな…」という悩みを持ったことがはある人もいるのではないでしょうか。
「じゃあ、ピッチをあげればいいのか…!」︎と思って太鼓の表ヘッドを張ると音が細くなるし、何より表のヘッドを張りすぎると、スティックで叩いたときにリバウンドが強くてやりにくいし、手首にもよくないです(これ結構大切)。
そこで、ミュートの出番。とりあえず表ヘッドの端っこの方にガムテープを小さくまるめて貼るくらいの簡単なものでも効果はあります。
これをすると割かし表ヘッドをゆるめにして裏ヘッドをきつめに貼れば音数の多いバンドの中でも輪郭がくっきり浮き出てきて、何より演奏が楽しくなります(というのも、スネアドラムは持参すればいいんですけど、備え付けののタムのコンディションが悪いとテンション下がりますからね)。
あと蛇足ですが、ライドシンバルのミュートについても少々。ハイハットと違ってライドシンバルはサスティーン(音の長さ)をコントロールできないので、鳴りすぎるライドシンバルはジャズなどの弱く叩く音楽には適していますが…
ぶっ叩く系の音楽だとグルーヴを損ねる原因にもなるので、こんな時もミュートが活躍します。(ガムテープを丸めていろいろ試してみてください)
というわけで、ミュートってなんか敷居が高くて、別に無しでもいいやと思いがちですが、結構劇的に音抜けが良くなるので、良かったら是非お試しください。
ではでは。