世界的ドラマーであるラッシュのニール・パート氏を偲んで

はじめに
ラッシュのドラマーのニール・パート氏が逝去されました。
ラッシュはプログレッシヴロックの礎の一つとなったバンドで、かのドリームシアターが「ラッシュmeetsメタリカ」と言われた事からもその、すごさがわかります。
ドラマーのニール・パート氏は、ある時期からおそらくモーラー奏法を習得したのか、叩き方がガラリと変わり、太くて力強い音ながらもバイオレンスな感じはなくむしろ知性すら感じるそのドラミングが印象的でした。
またグルーヴ自体も激しい曲を叩いているのに、どこか聴き手を包み込むような安心感のあるグルーヴだったと思います。
ニール・パート氏の作品はラッシュだと「TEST FOR ECHO」らへんの時代のが好きなんですけど。
ニール・パート氏個人でいえば教則DVDの「アナトミー」からは色々と学ぶところがありました。Amazonで調べたらまだ入手可能なようですがひょっとしたら売り切れてしまうかもしれません。
今回はそんな中でニールパート氏のドラムソロの十八番とも言うべき「オスティナート」についてご紹介します。
これはドラムソロを組み立てるのには必須のテクニックでありますし、インストバンドをやるときも役に立つものです。
オスティナートとは
オスティナートを一言で説明するのは難しいのですが、一例としては「両足で一定のリズムをキープしつつ腕ではフリーのソロを叩く」というものです。
ドラムソロはフリーのリズムで叩きまくるのもいいんですけど。それだけだと間が持ちません。そこでドラマーが「一人パーカッションアンサンブル」をやらないといけないわけなんですね。
かといってある程度フリーな感じも残さないとソロっぽさが出ない。そんな時にこのオスティナートが使えるのです。
オスティナートは極めようとすると完全に両手両足をバラバラに動かさないといけないので、めちゃくちゃ難しいのですが、ニール・パート氏は一番シンプルなオスティナートを使い本当に打楽器のオーケストラみたいな感じを出してました。
その一番シンプルなオスティナートのパターンは「右足のバスドラムと左足のハイハットペダルを8分音符で交互に踏む」というもの。この動画の最初に使ってます。
確かにこのパターンだとタムタムはたくさんあった方がいいのですが、普通のドラムセットでも、足がシンプルなだけに手の方にに完全に集中できます。
なので手のフレーズを複雑にしてみたりダイナミックな音色で叩いて見たりと、いろいろできるのです。
更にこのオスティナートは基礎練習のウォームアップにも使えます。足を交互に踏んで手はルーディメンツを叩いたりという様に使えば、身体もほぐれてほどよくあったまってきます。
おわりに
というわけで、一昨年のパット・トーピー氏に続き悲しい訃報でした。
やっぱりバリバリ叩いていた姿で記憶に残っているだけに突然の訃報はショックなものです。ご冥福を心からお祈りいたします。