ドラマーが絶対音感を身につけることのメリットとは?

はじめに
今回はドラマーの話…ではありますがテクニック的なお話ではありません。今回のテーマは「絶対音感」です。
絶対音感とは、音を聴いただけで何の音かが分かることであり、ちゃんとした絶対音感がある人は机を叩いた音も何の音かわかります
ただし机は調律された楽器ではないので、例えば「レとミの間…」くらいの精度ですが。
「ドラマーと絶対音感って関係ないでしょう?」と思った方もいると思いますが…ドラム”だけ”叩けるドラマーはどうしても音楽を「リズムのみ」でとらえがちで、それって要は音楽を「ON /OFF」のデジタル情報としてとらえがちなのです(もちろんそうじゃない人もいますけど)。
ドラムはバンド全体、曲全体を把握する役割もあるし、曲を早く暗記するため、そして他のドラマーを差をつけるためにも自分が叩く曲の「リズム以外」の要素を理解しておくことは有効かなと思います。
では本題に行きましょう。
大人になっても絶対音感は身に付く?
で、この絶対音感ですが世間的には「小さい頃に正規の音楽教育を受けないと身につかない」というイメージが強いです。
「知能」の古典的な研究とかでは、確かに小さい頃でないと絶対音感は身につきにくいと言われています(いわゆる臨界期とかそういうやつですね)。
しかし自分自身のことを振り返ると大人になってからも”ある程度の”絶対音感は身につきますし、音階を奏でないドラマーと言えども身につけることをおすすめします。
そもそも絶対音感とは、音という目に見えないものを「この音はミ」というように「言葉」にすることです。
でもこれって例えば目隠しして、寿司のマグロとイカを食べ比べたら、「こっちはイカ!」みたいなことと似ています。
なので例えば、絶対音感を持っていない人が目隠しせずにピアノでドの音とソの音を順に弾いて、一旦覚えてから、目隠しして当てればまずほとんどの人が当てることは出来るでしょう。
この程度の簡単な事を色んな音で繰り返しでいけば「ざっくりとした・いい加減な」絶対音感は大人になってからも身につきます(絶対とは言えませんが)。
絶対音感=曲の理解
ではなぜドラマーが絶対音感を身につけた方がいいのか?というと、冒頭にも書いた様に「曲の理解が深まるから」です。
つまり音階がない楽器であるドラムというパートの特性上、絶対音感がないままでリズムのみ意識して演奏することは、英語がわからない状態で英語圏の国に行くようなものかなと(要は身振り手振りでは伝わるけど、言葉の意味は聴き取れない状態に似ている)。
ではおすすめの絶対音感の身につけ方は何か?と、いえばこれは「耳コピ」です。
楽器はできればピアノやギターなどコードが弾ける楽器がよくて、簡単な曲(昔の洋楽のハードロックが抜群に耳コピしやすい!)をコード表とか何も見ずにコードを拾ってみるといいと思います。
ただこれだと「コードを知っている」という前提が必要になるので、コードがわからない時はベースを使っておおまかなベースの音だけを耳コピするのでもかなり練習にはなります。
もしくはパソコンにフリーのDAWソフトを入れて、小型のMIDIキーボードを繋いで簡単な音とかフレーズを聴きとってみるのもありかなと。
終わりに
というわけでそろそろまとめですが。今回の記事では、「ドラマーでも絶対音感を身につけておくと曲の理解が深まる」ということをお話ししました。
では「なんで曲の理解が深まるの?」ということなのですが、これは以前に共感覚について の過去記事でも書きましたが、その人なりのその音のイメージというものがあると思うんです。(色で言えば、”赤は激しい”)とかですね。
なのでざっくりでも良いので絶対音感を身につけることで、自分が叩く曲の「音に対するイメージ」を持ってみると、曲に対するドラムのアプローチも幅が広がり、レベルアップしていく、ということですね。
まぁあまり堅苦しく考えずに、まずは気に入ったフレーズからちょっと鍵盤やギターで耳コピしてみるといいと思います!ではでは。