「叩きまくり」のロックドラマーから他のジャンルへと幅を広げるためのキーワードは…「休符」

はじめに
今回はドラムの話にもどります。テーマは「休符」という少々マニアックなものです。
ドラムに興味がある方ならどこかで一度は「休符を歌う」というようなドラマーの発言を耳にしたことはあるのではないかと思うのです。
実際にこの「休符を歌う」境地に至るのはかなり難しいし、そこに至るまでにはいくつかの段階を通過する必要があるのではないかと思います。
なので、今回はこの「休符」というものをどのようにとらえていくかを、書いていきたいと思います。
休符を使えるようになると音楽に「うねり」がでてくる
というわけでまず今回の記事でなにが言いたいかという事なのですが…ある程度ドラムが叩けるようになってくると、よりグルーヴの利いた演奏がしたくなってくると思います。
でロック系のドラムだと、ひたすらドカドカと音を詰め込むようなドラミングがそれはそれでかっこ良かったりするんですけど。
16ビートや4ビートを基本とするジャズ・ファンク・フュージョン・ラテンといったジャンルでこれをやると見事にドラムが周囲から浮いてしまうのです。
実際の休符の活かし方
では実際にこのようなジャンルのドラムではどのようにドラムを叩くか…ということで休符の必要性が出てくるわけです。まず具体的にどんなものか?というところで則竹裕之氏のドラムソロがとても分かりやすいです。
このソロも部分部分で見てみると音をびっしりと埋めてはいますが、休符を巧みに挟んでいるので、バックのオケ(演奏)に馴染んでいるわけですね。
すべて音で埋め尽くすと音楽はどうなるのか?
ちょっと蛇足ですが、逆に音をすべて埋め尽くすとどうなるのか?というイメージは持っておいて損はないかな…と思い、スピードコアというジャンルのBPM1000の曲をご紹介。
www.youtube.com…まぁこうなると人力のドラムで表現はできなくなりますが笑、人力で表現できるハイスピードとしてはのはこの辺の動画でしょうか。
www.youtube.com「休符を歌う」とは?
というわけで結論に入っていきますが、結局ドラマーが「休符」をどうとらえていくか?の結論なのですが、こんな感じが自然な流れかなと。
- まずは頑張って練習して手足を正確に速く動かせるようになって音をたくさん詰め凝れるようになる。
- そこから音を減らしていき、「休符」を間に挟みこんでいく。
なので、冒頭に書いた「休符を歌う」境地に至るには、この後の段階であり、そこまでになったらもう確実に一流と呼ばれる力はついているでしょう。
おわりに
というわけで前回の記事でも書いたように「音楽は引き算」…つまりどれだけ無駄な音をそぎ落とせるかという「ミニマリズム」の原則にのっとっているとは思うのですが、かといって引き算は引くべきものがあってこその引き算。
最初は音をガーッと詰め込むことに喜びを感じる時期があってもいいのではないかと思います。
そのあとに引き続き音を詰め込むドラムを極めるか、他のジャンルもやってみるか考えてみるのも楽しいかなと。
ではでは。