ライブでミスってへこむ人は「セルフコンパッション」をトレーニングしてみよう!

はじめに
今回は心理学の書評です。心理学は色んな「〇〇すると良いですよ!」みたいなお話がありますが、本だけ読んで実際に使わないと効果は出ません。
このブログは音楽ブログなので、ミュージシャンに役立つ心理学のお話をこれまでも書いてきましたが、今回は「ライブでミスした時の気持ちの回復の仕方」とからめて書評を書きたいと思います。
まぁお金をもらうプロという立場の場合はまたちょっと違ってきますが、ライブでミスるとその後やっぱりへこむわけです。
人によってはお酒飲んで翌日には忘れてる人もいるかもしれませんが、音楽をやる人って意外と「内向型」なので引きずる人が多いのではないかな…と思います。
もちろん多少引きずるのも悪くないとは思いますが、これがこじれると「失敗がこわい」という不安に飲まれて、本番でいつも通りのびのびした演奏ができなくなってしまいます。
過去記事でも書きましたが、本番で一番怖いのは「緊張」よりも「ミスったらどうしよう」という先回りの不安です。そんなわけで今回はライブでミスした時にお役に立つ心理学の本をご紹介。
「セルフコンパッション」とは?
今回のキーワードは「セルフコンパッション」です。簡単にいうと「自分を思いやる力」みたいなものです。
以前にメンタリストDaiGo氏の動画でも紹介されてましたが。
興味があったので改めてこの二冊を買って勉強してみました(下の方の本が入門としては読みやすいです)。
この手の話は「自信を持つ方法」とか「ポジティブになる方法」とかと似ているので、いまいちわかりにくいかなとは思うのですが、もともとネガティブ思考の人がいきなりポジティブになれと言われても難しいのです。
なのでこのセルフコンパッションは、「ネガティブな人がミスったときにどうやって対処していくか?」というヒントが書かれています。その基本の3つのポイントは、
①マインドフルネス
②人類の共通性
③自分への思いやり
となります。ちょっと聞きなれない言葉もあるので以下で解説していきます。
セルフコンパッションはどんなもの?
まず①の「マインドフルネス」は私が好きな分野なのでこのブログでもよく書いてますが、ここでの内容に沿っていえば、「今現在の自分の気持ちを主観抜きで客観的に認識する」と言うことです。
ネガティブな思考の人って基本真面目なので「ネガティブはいけない!」みたいな考えがあると、自分がネガティブなモードになってもそれを見て見ぬフリをしてしまいます。
これはマインドフルネスではない状態ですね。気持ちを抑え込みすぎていると人によっては身体の症状として出てくることもあります。
また実際にライブの後で演奏を録音したものを聴くとそこまでひどいミスではなかったなんてことはよくありますしね。「とんでもないミスをしてしまった!」というのも自分の主観だったりします。
②の「共通性」は「だれにでもあること」と考えることです。つまりネガティブな時って「これって自分だけなんじゃ」と思うと余計にネガティブになったりします。
他の言葉では「ノーマリゼーション」とかもいいますが、これは気持ちが楽になる考え方の鉄板でもあります。
③の「自分への思いやり」はとりあえず自分への労いの言葉をかけてあげるようなイメージですね。自分への言葉かけは無理にポジティブにする必要はないというところがポイントです。
実際にどう使う?
というわけで、実際にライブでミスった時にこのセルフコンパッションをどう当てはめるか?ということですが。
さっきのポイントに沿って書くなら、
①「ライブで3回ミスった」「今ライブでミスして凹んでいる」というように今の自分の状況や心境を客観的に認識する。
②「でもミスはみんなする」と考える。
③「ライブは十分に頑張った」と自分をねぎらう。
…こんなところでしょうか。かなりざっくり書きましたので、気になった方は本を読んでみてください。
終わりに
というわけで、今回は「セルフコンパッション」についてご紹介しましたが、必要以上に落ち込まないためにもやっぱり「マインドフルネス」は必要なんですね。
演奏中も余計なことを考えるとミスるし、ミュージシャンに限らず上質なパフォーマンスを残す仕事の人は何かしらでマインドフルネスな状態にあるということでしょうか。
こんな感じで今後もちょくちょくミュージシャンのセルフケア的な内容も書いていければと思います。ミュージシャンも心身が資本ですからね。ではでは。