ブロガーにオススメな一冊「20歳の自分に受けさせたい文章講義(古賀史健・著)」を読んでみた感想

はじめに
今回は書評です。
ビジネス系YouTuberでお馴染みのマナブさんが以前にブログを書く人にお勧めしていたこちらの本「20歳の自分に受けさせたい文章講義」が積読になっていたので、今回読んでみました。
作者の古賀史健さんはあのベストセラー「嫌われる勇気」の著者でもあったんですね。
そして本書を読んでみたところ、もちろんいろんな文章術は載っているのですが、「ものの見方や考え方」や「コミュニケーション」を学ぶにも役に立つ本だと思いました。
というのも私たちは「言葉」で思考して、それを相手に伝えたり受け取ったりするわけです。そして「文章を書く」というのはそのコミュニケーションの一つの方法である、ということなんですね。
とはいえ、一番この本をオススメしたいのは「ブロガー」かなとは思います。
前提として「書くネタはあるんだけど、うまいこと文章にできない」というブロガーの方には本書の内容はヒットするかもしれません。
では本書の中から印象に残った部分をいくつかご紹介します。
文章は「リズム」である
ブログを書く時は頻繁に文章を切ったり、改行したりするのは必須のテクニックなのです。
それでもやっぱり読みやすい文章と読みにくい文章があるのは、この「リズム」が原因とのことです。
ただでさえ動画が主導権を握っている現代、長い文章は読まれにくくなっていますが、文章ってやっぱり脳のCPUを消費するんでしょうね。
だからどれだけ読み手の脳のCPUを消費させない、つまりいいリズムをつかられるかが、いい文章なのではないかと私は思うわけです。
本書にはその「リズム」をよくするテクニックとしてこんな事が書かれています。
・接続詞を正しく、たくさん使うこと
・同じ言葉を繰り返し使わないこと
こうすることで読み手の負担にならないリズムのいい文章が書けるんですね。
読者と一緒に寄り道をする
文章は一方通行のコミュニケーションなので読者を置き去りにしがちです。そんな時には「セルフつっこみ」が有効とのこと。
これは私も知らず知らずにやっていたんですけど、例えば「AはBである」という内容を書きたいとします。
その時に「『でもそれってCなんじゃないの?』って思う人もいるかもしれません」、みたいな文章を入れると、読者と一緒に結論までの道のりを寄り道できるということなんですね。
これは楽器のレッスンでも似ているところがありまして、いきなり「お手本の演奏だけ」見せても効果が薄いんです。
なので「生徒さんが目指すべきレベルまで落とし込んだ演奏」と「よくない例の演奏」この二つを必ずやってみせて、一緒に「寄り道」をしないとダメということなんですね。
目から「ウロコ」を何枚落とすか
本書によれば「最初から最後まで目からウロコが落ちっぱなしの文章」はよくないとのこと。
目安としては「ウロコを落とすのは全体の3割」くらいでいいそうです。
残りの7割は「なるほど」「ふむふむ」「そうそう」くらいの気持ちで読み進められるくらいがちょうど良いそうです。
よくいろんな人が「一冊の本のエッセンスはごくわずか」と言いますが、それは無駄なのではなくちゃんと理にかなっているんですね。
そう考えると、書評ブログというのはエッセンスだけ抜き出すわけなので、読者に伝えるのは結構難しいですね。私的にはあくまで「紹介」くらいのスタンスです。
文章は断捨離しよう!
最後に「文章はバサバサと切り捨てよう」ということが書いてあります。要は文章の断捨離です。
本書では心理学でいう「サンクコスト効果」を持ち出して書いてありますが、例えばUFOキャッチャーで、3000円つぎ込んで「後ちょっとで景品が取れそう!」な場合とかが分かりやすい。
要は「ここまでつぎ込んだんだからもう後に引けない」状態ですね。
同様に文章も「せっかく書いたんだから使わないともったいない」と思って使っちゃうと全体を台無しにする、ということがよく起きるそうです。
この辺は作曲や編曲をやっている人にはピンとくるかもしれませんね。
終わりに
というわけで今回はこちらの書評でした。
帯に「書くことは生きること、そして考えること」と書いてありますが、こうして改めて読んでみると、文章を書くというのは本当にいいことだあなあぁと思いますね。
ブログの毎日更新はしんどい時もありますが、そこからの恩恵は自分の財産になると実感します。
ブロガーの方はぜひ読んでみてください!ではでは。