ドラムをやるときに必要な記憶力のひとつの…「短期記憶」とは?

はじめに
今回はドラムのお話し…ではありますが心理学っぽいお話。テーマは「短期記憶」です。
この「短期記憶」はなかなか一般的には馴染みが薄いですが、「記憶」と名前がついている通り要するに記憶の能力の事です。
簡単にいうと「ちょっとの間だけ記憶している能力」のことです。
そしてこの能力があると便利なのがリハーサルや本番直前で急に曲の細かいところが変わったときに対応しやすくなるのです。
あとは一曲演奏し終わったときに「今の曲のあの部分なんだけど…もっとこうしない?」といった話し合いもできるのです。
この能力は個人差があるので、もしこういったことが「苦手」と自覚している人もいるかもしれません。ただバントの全体を把握するドラマーとしては使えると便利な能力とも言えます。
私が人より短期記憶の力があるのかは定かではありませんが今のところ短期記憶を使えている実感はそれなりにあるし、短期記憶の足りなさで困ったことは今の所はないです。
そこで今回は「ドラマーが短期記憶を使う場面」というちょっと変わり種のテーマで書いてみたいと思います。
ただ私は記憶トレーニングの専門家ではないし、記憶トレーニングをしたこともありませんので今回は具体的なトレーニング方法は書きません。
なので「短期記憶 鍛える」とググるとアプリや本などのツールは出てきますので、もし「短期記憶をトレーニングしたい!」と思ったら試してみてはいかがでしょうか…ということも踏まえて本題に。
短期記憶と長期記憶
まず一般的に「記憶」と言われているのは「長期記憶」のことかなと思います。
「長期記憶」というのはその名の通り「ずっと覚えていること」です(以前にご紹介した”プライミング”は割と長期記憶寄りの分類です)。
演奏で言えば「音楽理論を覚える」「奏法を覚える」「曲を覚える」などはこの「長期記憶」になります。これに対して「短期記憶」は「ちょっとの間だけ覚えて、しばらくすると忘れる記憶」のことです。
一番身近な例としては、飲食店で大勢のオーダーをメモを取らずに覚えられる店員さんや、スマホの番号を聞いてメモを取らずにその場でかけ直せる人…などでしょうか。
メモのデメリット
これを踏まえて何が言いたいたいか?というと、この記憶力…特に短期記憶に自信がない人はリハーサル中にメモをとるわけです。
これは「記憶を外に残す」という点では有効な方法なんですけど、リハーサルで話し合ったことや指摘されたことを全てメモをとると、その現場の「スピード感」が落ちてしまうということもあります。
これが音楽のレッスンを受ける立場でも同じで、言われたことをその場で全てメモに取ろうとすると、講師側としてはレッスンでお伝えできることのボリュームが減ってしまうということになります。
短期記憶が活躍する場面って?
なので、音楽をやっていて「どうも記憶力が悪いな…」と思った時は「それが長期記憶なのか、短期記憶なのか?」を分類できると改善の兆しが見えてくるかもしれません。
なので繰り返しになりますが、それぞれの分類をすると…
①長期記憶
・音楽理論を覚える
・楽器の奏法を覚える
・曲を覚える
・ライブのセットリストを覚える
②短期記憶
・レッスンで言われたことを覚える
・曲の小節数を削ったり、増やしたりする
・ライブのセットリストの変更を覚える
・コード進行の変更やバンドアレンジの変更を覚える
…などなど。
音楽の現場で意外と②の短期記憶が必要になってくる理由は「音楽は形がなくて流れていく」ものであり、その「実態のないもの」を「言葉でやり取りして」決めていくという非常にふわっとしたことをやっているからなんですね。
短期記憶を鍛えるには?
ということなんですけど、さすがに「じゃぁどうやって鍛えればいいの?」と思った方もいるかもしれませんので最後に、ちょっとだけ触れます。
試しに「短期記憶 鍛える」でググってみると、大体共通するのがいわゆる脳トレ的なトレーニング。
確実なエビデンス(効果)は保証できないので手放しにオススメはしませんが、無理に短期記憶をあげようとすると辛くなるので「メモの方法を工夫するとかガジェットを使いこなす」とかの方法も試す価値はあるかなと思います。
終わりに
ということで今回は「記憶」についてでした。今回言いたかったのは「記憶力に自信がない」からといって音楽をすることを尻込みするのは勿体無いので、自分なりの対処の仕方を持っておきましょう!ということです。
何より目的は「記憶すること」ではなく音楽をすることなので…ではでは。