音楽耳を鍛えることで起きる「慣れ」に対処する方法とは?

はじめに
今回は楽器のお話。テーマは「耳が慣れること」についてです。
以前に「耳を鍛える」お話をしましたが、要するに「楽器を始める前の自分」と「楽器をある程度続けた自分」は音の聴こえ方も別人になっています。
よく音楽をやってない人に「何で上手いとか下手とかわかるの?」と聴かれますが、これは訓練で自然とそうなったに過ぎません。
食べ物で例えるなら、「美味しいものとまずいもの」「高いものと安いもの」をひたすら食べ比べてればその違いが分かるようになるということです。
つまり自分の中に「基準」ができてくるということですね。
ここまで書くと良いことづくめの様に感じますが、実は「気をつけなければいけないこと」もあったりします。
その辺を今回はお話しようかと。
経験を積むと「慣れ」がついてくる
さっきも書いたように楽器をやったり色んなジャンルの音楽を聴き続けると、自分中に経験がどんどん溜まっていきます。
そして経験がたまると「上手い下手の基準」ができてきます。
でもこれって新しい刺激を自分に入れてるからこそ出来ることなんですね。
つまり何が言いたいかというと「経験がたまるときには慣れも一緒についてくる」ということ。
例えば自分の演奏やいつも顔を合わせるバンドメンバーの演奏とか、はいつも聴いているので慣れが生じてきます。
そして慣れが生じすぎると、音楽を客観的にジャッジできなくなってしまうということなんです。
脳はサボる器官!?
人間は五感で外からの情報をキャッチします。
キャッチしているのはどこか?というと脳なんですね。
ところがこの脳はものすごいエネルギーを食っています。
仮に脳をフル活動させたら1日3食どころでは到底足りないわけで。
そこで脳はサボることを覚えたわけです。
例えば一度見てしまったものは2度目以降は同じには見れないんです。
つまり「何となく見る」ようになっていきます。
自分の部屋のレイアウトとか、自分のしてる腕時計をを「いざ書こう」と思っても思い出せないのはこれが原因です。
そして音も理屈は同じです。初めて聴いた時に比べて2回目以降は脳は「だいたい」聴くようになっていきます。
この初めて聴いた時の体験が多いほど耳が良くなっていく反面、繰り返し聴くものに関しては感度が落ちていくんです。
レコーディングなどで「最高傑作!」と思っても翌日聴くと「そうでもないな…」とガッカリした経験とかある人は多いのではないでしょうか。
自力で耳を「補正」しよう
ではどうすればいいか?ということですが、自力で頑張って耳を補正するしかないです。
例えばいつも演奏しているメンバーの演奏を「初めて会った人」のように聴いてみるとか、自分の演奏の録音を「もしこれが他人の演奏だったら?」と聴いてみるとか。
また意図的に演奏のアラ探しをしてみるとか(ただこれは嫌われるので自己責任で…)
まぁなかなか気持ち的にはしんどい作業でもありますが、ここに改善点のヒントが隠れてたりします。
後は音楽の同業者や全く楽器をやらない人、音楽マニアなど色んな人に意見を求めるのは大事というか、かなり必須になってくるかなとも思いますね(これも凹むかもしれないので自己責任で…)
終わりに
というわけで今回は「慣れ」についてのお話でした。
できるものなら十代の自分の耳に一瞬だけ戻ってみたい気もしますね…果たして自分の演奏はどう聴こえているのか?と。
それほどに人間は「慣れること」で、脳の疲労を回避するようにできている生き物なのですね。
この性質を上手く利用していきたいものです。
よければご参考までに。ではでは。