ドラムは「脱力」ができれば疲れないのか…?

はじめに
さすがに最近音楽以外の話題が続いたので今回は久々ドラムのお話し。テーマは「脱力」ということでいきましょう。
脱力という言葉はどうしても「脱力=楽々叩ける」というイメージに引っ張られて「もしも脱力ができれば楽々とドラムが叩ける!」みたいな印象を与えがちですが、実際は決してそんなことはないということなんです。
なので今回は「ドラムの脱力」に興味があるけど、まだ実践できていない初級~中級の入り口くらいのドラマーに向けて,
「脱力とは一体どういう状態なのか?」ということをお伝えできればと思います。では本題に.
結論→脱力ができてもドラムを叩くと疲れる
まずは今回の結論としては「脱力はできていてもドラムは疲れる」ということをお伝えしたいです。
というのも、「脱力」というとその字面から、どうしても温泉やマッサージを受けているかの様な「身体がリラックスした」状態をイメージしがちです。
しかし実際に、ドラムから大きな太い音を出すとなると、それに見合った物理的なエネルギーをドラムに与えないといけないわけです。
ということは、ドラマーが「だらり」としてリラックスしている状態で、ドラムから強烈な音が出ていたらそれは魔術です笑
なので、まずは「脱力=リラックスしていても勝手に強烈な音がなる状態」というのはあり得ないということです。
「じゃぁ結局脱力しても疲れるなら、脱力なんかする意味ないじゃん」と思う方もいるかもしれませんが、ここが大切な部分でして…。
脱力の状態で無い状態でドラムを叩き続けるともれなく、「音が細くなる」、「グルーヴが出ない」、「身体を壊す」と言った事態になります。
つまり何が言いたいかというと、以下の2点なんです。
①ドラムをする上で脱力はしないといけない
②脱力はできていてもドラムを叩くと疲れるのは当然
なので、ドラムを叩くと身体は疲れるしお腹も空きます。ドラマーというのは完全に肉体労働のパートなのです。
なぜ脱力していても疲れるのか?
まずこの「脱力」という言葉が、ちょっとずれていると常々思っています。
正確には脱力ではなく「物理の法則を正確に仕えている状態」なんですけど、誰が言い出したのかいつの間にか「脱力」という言葉がメジャーになっていましたね。
前にも書きましたが、本当に脱力してしまったらドラムの椅子から転げ落ちるわけなので、何かしらの力は入れていないと椅子に座ることすらできないわけです。
「じゃぁなんで脱力できても疲れるの?」というと、私が思うに「腹圧」をかけているからなのでは無いかと思います。
これは、スネアドラムのバックショットをしっかりと叩かないといけないロックドラマーに言えることなのですが、単に脱力しているだけでは「強烈なスネアドラムの音」は一時間も二時間も出し続けることはできません。
そこにはお腹の丹田あたりに意識を向けて、圧力(腹圧)をかけることで強烈な音がなるものだと思います。
この「腹圧による音」というのは、脱力ができていないと出せないものだし、かと言って脱力だけでは出ない、という代物なのです。
脱力だけで終わらないために
ということなのでドラミングにおいて「脱力だけで終わらない」ためにはどうするか?ということですね。
それには当たり前ですが「まずは脱力の状態を作り出すこと」が必須です。
それができた上で、今度は「大きくて太い音を出すためにはどうするか?」ということを考えないといけないわけです。
これはさっき書いた様に、「腹圧」と言ってドラムを叩くときにグッと身体に圧をかけることが必要なわけです。
これは決して「力む」ことではなく、「脱力ができた身体に呼吸で圧をかける」ということなのです。こうすると、腕だけでぶっ叩くわけでもなく、大きくて太い音が出せるのです。
ただこれもドラムという「太鼓」を大きい音で鳴らすので、長時間やっていると当然疲れてくるわけですね。
だからドラマーに必要なのは「体重を増やす」ことだったり「ランニングで基礎体力をつける」ことだったりするのです。
私が思うに、筋力はドラムを叩くためにつけるのではなく、ドラムを叩きまくっていたらついてきた、という順番が理想かなと思いますが…ドラムという非対称な動作自体が身体の歪みのもととなるので、ドラムを補佐する様なランニングや水泳は良いですね。
終わりに
というわけで今回は「脱力」のお話でした。
要するに、いくら「脱力」と言っても魔法の様なことはなく、それは例えば5時間以上やったら人間なので疲れるということですね。
ただ脱力は身体を壊さないためには必須なので、まずはできる様になって下さい!(このブログにもヒントはたくさん書いています)ではでは。