ONE OK ROCKの「Wherever you are」から学ぶドラムの音の「表現」について

はじめに
今回はドラムのお話。テーマは「表現」について。
このブログでも度々書いてますが、「表現」というテーマになると、どうしても「音色」とか「呼吸」とかちょっとマニアックな話になってしまうので…今回は具体例をあげてお話します。
これは料理で言えば「レシピと食材が与えられても作る人によって味は変わってくる」ということに似てます。ではなぜ変わるのか?というと、「作る過程で細部に気を配れるか」ということなのではないかと思います。
ドラムもこれと同じで(というか他の楽器もそうですが)、同じ楽器と同じ譜面があっても人によって音が変わるのはこの「細部」に秘密があります。
ということなので今回は「ある程度曲は叩けるようになったけど…なんで本物みたいにならないんだろう?」という初心者のレベルを一歩出た段階にお悩みの方に向けてお役に立てばと思います。
では本題に。
今回の題材はONE OK ROCK
今回はこちらの曲を題材にお話します。
ご存知ONE OK ROCK(以下ワンオク)の代表曲「Wheaever You Are」です。
これは歌メロは歌い上げる系のバラードですが、後ろの演奏はバラードにしてはちょっとテンポが速く、かといってすごい速いわけでもないので、結構叩く人によって雰囲気が変わってくるかなと思います。
なので別に「唯一の正解」というものはないと思いますが…確実に「不正解」なのは「周りの演奏のノリと合っていないこと」これをやるとどれだけ上手くてもドラマーとしては良くないんです。
(ちなみにこれについては後日改めて書こうかと思っていますが、ロックバンドのアンサンブルではドラマーだけ上手いのは聴き手には、”ちぐはぐ”に聴こえます)
…ちょっと話が脱線しましたが要するに「叩き方一つで印象はガラリと変わる」ということが大事なんです。
では実際の部分の中から例として2つご紹介します。
2番のAメロ→楽器間のバランスに注意
この曲は2番のAメロからドラムが入ってきます。ここで大事なのはドラムセットの各楽器のバランス。
サビへ向かって徐々にエネルギーを上げて行くところなので、ハイハットは「できるだけ」小さく叩くと雰囲気が出ます。
この「できるだけ小さく」が厄介で、気を抜くとハイハットはすぐに大きな音になってしまいます。そしてそれに対して、スネアドラムとタムタムは結構しっかりと叩きます。
この2番のAメロは普通の8ビートにタムタムを間に絡ませるパターンなのですが、スネアドラムやタムタムは太鼓なのでシンバルほど「ジャリジャリ・キラキラ」した音は出ませんので、ここはどっしりした感じを出すといいと思います。
サビ→ハイハットの「開き加減」に注意!
もう一つ大事なのがサビでのハイハットの叩き方。
歌が歌い上げていてギターが後ろでジャカジャカなっているので、ハイハットをタイトな音にすると周りと合わなくなります。なので、絶妙な開き具合でハイハットを開いて演奏します。
ハイハットは開きすぎるとカポカポしか音になってダメだし、閉じすぎるとタイトになって他に埋もれてしまう。なので、ハイハットを一発叩いて、「シャン」くらいの音の長さになると良いでしょう。
そしてこの時は左足のカカトでしっかりと踏ん張っておかないと、気が抜けてきて元の音に戻ってしまうので注意が必要です。
あと、あんまりスティックの先端で叩くとタイトな音になるので叩く位置もいろいろ試してみるといいかなと。
終わりに
そんな感じで今回はワンオクの曲を題材に、ドラムの「表現」についてお話しました。
「同じ楽器、同じ譜面でも人によって音が変わるのはこういったところにある」ということがイメージしていただければよかったかなと思います。
ではでは。