ドラミングとウィルパワーの関係とは?~セッティングは疲れのもと?~
今回もドラムの話を。ただ割かし抽象的な話ではありますが。
まず今回の題材の本からご紹介。
メンタリストDaiGo氏の2016年の著作「自分を操る超集中力」です。
この中の前半部のキーワードに「ウィルパワー」というフレーズがあります。
とくに心理学系のテクニカル・ターム(専門用語)はラベリング(つまり物事の意味をざっくりと決めつけてしまう)のようなデメリットもある反面、ぼんやりと気が付いていたことを言語化して気づかせてくれるというメリットもあります。
今回はもちろん後者の意味合いでこの「ウィルパワー」を紹介したいと。
以下、一部引用含みますが今回の記事に必要な部分を紹介します。
■ウィルパワーは集中力の源
■その源泉は前頭葉(おでこの裏側当たりの脳の部位)にある
■総量には限界がある
■出所は一つしかない(考えるジャンル・内容は関係ない)
■日常の意思決定によって消費されていく
■行動を習慣化することでウィルパワーの消費を節約できる
という感じです。つまり人間が「疲れた」と思うのって意外といい加減で、実は身体はそんなに疲れていなくて、脳がつかれている場合もあるので「今の疲れは身体なのか、脳なのか?」と常に自分の身体の状態をモニタリング(観察)できるといいと思いますね。
ミュージシャンは身体が資本であるし、ましてや専業ミュージシャンでないならいかに本業以外の時間に音楽のためのエネルギーを残しておけるか?が課題となってきますからね。
ちなみに、「疲れ」を「脳の疲労」という見地から書いてあるこちらの本もお勧めです。
こちらの本には「ウィルパワー」という言葉は見当たりませんが、食事と睡眠で脳の疲労を改善するという点では両者共通であります。
…で、だいぶ話がそれましたが、ドラムの話なのですが。
このウィルパワーが消費する場合とは…そう、セッティングです。
私が以前ここのブログやスタジオラグさんのブログで書いているように、ドラムで伸び悩んだりスランプに陥ったら3点セットにしてみることをお勧めしているわけですが、3点セットの長所を今回のテーマに沿って考えてみます。
①機材の運搬がほぼない。(究極的にはスティックのみ‼)
②演奏中に叩く箇所の選択肢が少ない
大きくこの2点なのではないでしょうか。この2つとウィルパワーが何の関係があるのか?といえば、「意思決定をする場面が少なくなるということです」
①の場合についていえば、機材を積み込んだり、セッティングしたりする必要が少なくなったり、無くなったりします(特に電車移動だとそれがさらに顕著ですね)。車移動でも電車移動でも確かに機材は重いし力仕事ではあるのですが…実は疲れているのは身体ではなくて「意思決定の積み重ね」による脳(前頭葉)の疲れの要因も大きいのではないかと思います。
②についていえば、点数(太鼓やシンバルの数)が少ないほど、「次どれ叩こう…」と曲中に考えたりすることもなくなり、よりドラムセットの要である3点(キック、スネア、ハイハット)の表現に注意を注げるのではないかと思います。
あ、ただ補足しますが私は決して多点キット否定派ではございません。多点キットの色彩豊かなドラミングを聴くのもするのも大好きです。
ただ、選択肢として両方頭に入っているといいかなと思いまして、こんな記事を書いてみました。
というわけで、私のような(自称)ミニマリストに限らず「ウィルパワー」について大変興味深いのでまた何かあったらこちらでも書こうかと。
ではでは。